“墓前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼぜん75.0%
はかのまえ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
豊臣秀吉とよとみひでよしが織田信孝のぶたかの賊臣桑田彦右衛門くわたひこえもん挙動きょどうよろこばず、不忠不義者、世の見懲みごらしにせよとて、これを信考の墓前ぼぜんはりつけにしたるがごとき、是等これらの事例は実に枚挙まいきょいとまあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
夕方、しずかになった墓地に往って見る。沈丁花ちんちょうげ赤椿あかつばきの枝が墓前ぼぜん竹筒たけつつや土にしてある。線香せんこうけむりしずかにあがって居る。不図見ると、地蔵様の一人ひとり紅木綿べにもめんの着物をて居られる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
風采ふうさい、千破矢家のたるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国回向院えこういんのかの鼠小憎の墓前はかのまえに、居眠いねむりをしていた小憎があった。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)