“綫香”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんこう66.7%
せんかう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
議論の火の手は又さかんになる。純一は面白がって聞いている。熾んにはなる。しかしそれは花火綫香せんこうが熾んに燃えるようなものである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
墓にまいる人にしきみ綫香せんこうを売り、また足を休めさせて茶をも飲ませる家で、三十ばかりの怜悧かしこそうなおかみさんがいた。わたくしはこの女の口から絶望の答を聞いた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わたしは此墓に由縁ゆかりは無いが、少しわけがあつて詣つたのだ。どうぞ綫香せんかうと華とを上げておくれ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)