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鮮紅
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せんこう
ふりがな文庫
“
鮮紅
(
せんこう
)” の例文
男は
萌黄
(
もえぎ
)
のソフトをかぶり、女は褪紅の外套を着け、その後より
鮮紅
(
せんこう
)
の帽かむりし二人の男女の小児爽やかに走りゆく。
春の暗示
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
よく
熟
(
う
)
れた唇に
鮮紅
(
せんこう
)
をさすこと、豐かな髮のあちこちに
柔
(
やは
)
らかな捲毛を描くこと、碧い
瞼
(
まぶた
)
の下の
睫毛
(
まつげ
)
により深い影をつけることが、まだ殘つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
さては
効無
(
かひな
)
き
己
(
おのれ
)
に
憤
(
いかり
)
を
作
(
な
)
して、益す休まず
狂呼
(
きようこ
)
すれば、彼の
吭
(
のんど
)
は終に破れて、
汨然
(
こつぜん
)
として
一涌
(
いちゆう
)
の
鮮紅
(
せんこう
)
を
嘔出
(
はきいだ
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
とどろく答えとともに、陣鼓一声、
白斑
(
しろまだら
)
な
悍馬
(
かんば
)
に乗って、身に銀甲をいただき
鮮紅
(
せんこう
)
の
袍
(
ほう
)
を着、
細腰青面
(
さいようせいめん
)
の弱冠な人が、さっと、野を斜めに駈けだして来た。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
教会
(
きょうかい
)
からもらったクレオンは、
品質
(
ひんしつ
)
が
上等
(
じょうとう
)
とみえて、
赤
(
あか
)
の
色
(
いろ
)
はまったく
鮮紅
(
せんこう
)
だったし、
紫
(
むらさき
)
の
色
(
いろ
)
も、いつか
友
(
とも
)
だちの
家
(
いえ
)
で
見
(
み
)
た
孔雀
(
くじゃく
)
の
羽
(
はね
)
のように
光
(
ひか
)
っているし、そして
青
(
あお
)
い
色
(
いろ
)
は
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
それを正面のたかき
石段
(
いしだん
)
にあおいで、ひろい
平地
(
へいち
)
の
周囲
(
しゅうい
)
も、またそれからながめおろされる
渓谷
(
けいこく
)
も、四
顧
(
こ
)
の山も
沢
(
さわ
)
も
万樹
(
ばんじゅ
)
鮮紅
(
せんこう
)
に
染
(
そ
)
められて、
晩秋
(
ばんしゅう
)
の
大気
(
たいき
)
はすみきッている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真っ黒な
旅垢
(
たびあか
)
の下にかくれている、
鶏血石
(
けいけつせき
)
のような
鮮紅
(
せんこう
)
を持っている日吉の耳だの、若いくせに、一見、老人みたいに見える
額
(
ひたい
)
の
皺
(
しわ
)
に、後年の大器がすでに
顕
(
あらわ
)
れていたことをも見出して
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酔うと
鮮紅
(
せんこう
)
になって、血のはち切れそうな彼の
耳朶
(
みみたぶ
)
であった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鮮
常用漢字
中学
部首:⿂
17画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“鮮紅”で始まる語句
鮮紅色
鮮紅燦々