“万樹”の読み方と例文
読み方割合
ばんじゅ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを正面のたかき石段いしだんにあおいで、ひろい平地へいち周囲しゅういも、またそれからながめおろされる渓谷けいこくも、四の山もさわ万樹ばんじゅ鮮紅せんこうめられて、晩秋ばんしゅう大気たいきはすみきッている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此辺は秋已に深く、万樹ばんじゅしもけみし、狐色になった樹々きぎの間に、イタヤかえでは火の如く、北海道の銀杏なる桂は黄のほのおを上げて居る。旭川から五時間余走って、汽車は狩勝かりかつ駅に来た。石狩いしかり十勝とかちさかいである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ことに厳粛げんしゅくきわまる武神ぶしん武人ぶじん大行事だいぎょうじ、おのずから人のえりをたださしめて、一しゅんののちは、まるで山雨さんうして万樹ばんじゅのいろのあらたまったように、シーンと鳴りしずまったまま
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)