“慟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どう60.0%
なげ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
き立てられ、孝助は止むを得ず形見の一刀腰に打込み、包を片手に立上り、主人のめいに随って脇差抜いて主人の元結もとゆいをはじき、大地へどう泣伏なきふ
然れども思え、いたずらに哭してどうして、墓前の花にそそぎ尽したる我が千行せんこうなんだ、果して慈父が泉下の心にかなうべきか、いわゆる「父の菩提ぼだい」をとむらい得べきか。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
諸臣おおいなげきてようやくに去り、帝は鬼門に至らせたもう。従う者実に九人なり。至れば一舟いっしゅうの岸にるあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
新羅使の一行が、対馬つしま浅茅浦あさじのうら碇泊ていはくした時、順風を得ずして五日間逗留とうりゅうした。諸人の中でなげいて作歌した三首中の一つである。浅茅浦は今俗に大口浦といっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)