なげ)” の例文
諸臣おおいなげきてようやくに去り、帝は鬼門に至らせたもう。従う者実に九人なり。至れば一舟いっしゅうの岸にるあり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
新羅使の一行が、対馬つしま浅茅浦あさじのうら碇泊ていはくした時、順風を得ずして五日間逗留とうりゅうした。諸人の中でなげいて作歌した三首中の一つである。浅茅浦は今俗に大口浦といっている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
れば四囲はかたむるに鉄を以てし、二また鉄をそそぎありて開くべくも無し。帝これを見ておおいなげきたまい、今はとて火を大内たいだいに放たせたもう。皇后は火に赴きて死したまいぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)