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血統
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ちすじ
ふりがな文庫
“
血統
(
ちすじ
)” の例文
一人も
血統
(
ちすじ
)
を残すなと厳しい探索の網を潜って、その時二歳のあなた様を
懐中
(
ふところ
)
に抱えて逃げましたのが、このお霜なのでございます。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いわゆる
御落胤
(
ごらくいん
)
とでもいったようなものなんですかな。ほれほれ御覧なさい。
血統
(
ちすじ
)
は争われないもので、三白眼でこっちを睨んでいます
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
尤も、上方から下って来た目的が、龍山公の
血統
(
ちすじ
)
さがしの件もあるが、表面は、東都遊学というのであるから、誰も、怪しむ者はない。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あさ子も母の
血統
(
ちすじ
)
を受け、思いつめたあげくに、万一のことを仕兼ねないかも知れぬと思うと、全身の血が凍るように思われた。
血の盃
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
角「
私
(
わし
)
が先祖も野州塩谷郡塩原村で、沼田へ来て鍬一つから今では田地や山も持って居りやすが、それじゃア貴方も、元を洗えば同じ
血統
(
ちすじ
)
で」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
健康な
血統
(
ちすじ
)
の子孫を設けたいものと、一心に
憧憬
(
あこが
)
れ願っていた心情がハッキリと
首肯
(
うなず
)
かれる訳で、T子が家出をした当時に
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
またその
鉄葉屋
(
ブリキや
)
と建具屋の弟子だってそうだ、
血統
(
ちすじ
)
は争われぬ、縁に
繋
(
つなが
)
って能役者が望みだ、
気障
(
きざ
)
な奴だな。役者になる
隙
(
ひま
)
があったら、——お久。……
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
弥吉もまだ年齢は若いし、独身で暮すわけにも行かないので、小林の
血統
(
ちすじ
)
から
後妻
(
のちぞい
)
を迎えておだやかに暮して行くうちに後妻にも男の子が二人も生まれた。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
一方は
従兄弟
(
いとこ
)
。一方は三吉が恩人の
子息
(
むすこ
)
というだけで、親戚同様にしていたが、
血統
(
ちすじ
)
の関係は無かった。区別する為に正太兄さんとか、直樹兄さんとか言った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
貰子いうても、チャンと
血統
(
ちすじ
)
を引いているのだすが、華族さんには
喧
(
やかま
)
しい規則があって、親類でも無闇に養子に貰えん、ちゅうのでまあ実子に仕立てたのだンな。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
あんな
者
(
もん
)
でも
家大人
(
おとッさん
)
の
血統
(
ちすじ
)
だから今と成てかれこれ言出しちゃ
面倒臭
(
めんどくさ
)
いと思ッて、
此方
(
こッち
)
から折れて出て
遣
(
や
)
れば附上ッて、そんな
我儘
(
わがまま
)
勝手を云う……モウ勘弁がならない
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
世間には、
血統
(
ちすじ
)
に
因
(
よ
)
るいろいろの素質とか、祖先はじめ現在の両親などから与えられているいろいろの境遇というものが、かなり人の一生の運命を決定するように思いきめている人があります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
兄は弟のあさましき言葉に深き
愁
(
うれい
)
を起し、
血統
(
ちすじ
)
の兄弟にてすらもかくまでに
酷
(
むご
)
く
情
(
つれ
)
なければまして縁なき世の人をや、ああ
厭
(
いと
)
はしき世の中なりと、狭き心に思ひ定めて
商買
(
しょうばい
)
を
廃
(
や
)
め、僧と身をなして
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
先代の義弟といっても何の
血統
(
ちすじ
)
関係はなく、先代の娘の幾代を差置いて、浅田屋の身上を継いだ形になるのですから、幾代には充分徳次郎を怨む理由があったわけで、幾代の部屋の前を通らずには
銭形平次捕物控:119 白紙の恐怖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔も御承知のあの山里に若死にをしました恋人と同じ
血統
(
ちすじ
)
の人が意外な所に一人いると聞きまして、昔の人の形見にときどき顔を見て慰めにしようと思ったのですが、ちょうど私といたしましては
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
たとえ
血統
(
ちすじ
)
はどうだろうと、立派に他家の子供となってるうえは、それをわざわざ呼び寄せて、昔のことをほじり出すのは、よくないことだ、両方の気持を悪くさせるだけだ、とそう仰言るので……。
同胞
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
然し彼の宝は
血統
(
ちすじ
)
の上から余の物でも叔父の物でもなく、全く春子の物である、其の仔細は叔父朝夫は丸部総本家から数代前に分れた家筋で血筋が遠い、血筋の一番近いのは叔父の妻で有った夫人で
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「とにかく、その女性に会いたいものじゃ。たしかに、
血統
(
ちすじ
)
とわかれば、他家より養子を迎えても、亀山六万石は安泰なわけじゃ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主人の家を立てる事は出来ません、縁は切れても
血統
(
ちすじ
)
は切れません、縁が切れても血統が切れても宜しゅうございますが、余りの事でございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お八代さんは云うておりましたが、
血統
(
ちすじ
)
というものは恐ろしいもので今度の模様を見て見ますと、やはりあの巻物の祟りに違いないようで御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
二人ともねえ、好きやぐらいか、あんさんのお弟子にもなりたいとねえ……
血統
(
ちすじ
)
は争われぬもんじゃぞね。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ですけど
私
(
あたし
)
が死んじまや、
幸手屋
(
さってや
)
の
血統
(
ちすじ
)
は絶えるでしょう? それでは御先祖様にも、又ね、死んだ親達にも済まないと思って、無分別は出しませんでしたけど、
余
(
あん
)
まり
口惜
(
くや
)
しかったから
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
実は、私の家には恐ろしい病気の
血統
(
ちすじ
)
があるので御座います。
血友病
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「——私は、あの、先代の成瀬屋の
血統
(
ちすじ
)
の者でございます」
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『家の
血統
(
ちすじ
)
を絶やしたくない』と……袴様!
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ふうん……女が
夭折
(
わかじに
)
の
血統
(
ちすじ
)
? ……するとつまり、何か、遺伝とやら申して、よくない病気が伝わっているものに違いない。やれやれ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや/\
然
(
そ
)
うでない、お
血統
(
ちすじ
)
は別だ、誰しも我子は可愛もので、
御実子
(
ごじっし
)
を
以
(
もっ
)
て御家督相続と云えば殿様にもお快くお臨終が出来る、御兄弟の御情合も深い
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
綾姫が鶴原家に
嫁
(
かた
)
づいたあとで、
血統
(
ちすじ
)
が絶えそうになったが綾姫の隠し子があったのを探し出して表向きを都合よくして、やっと跡目を立てたような始末であった。
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
血統
(
ちすじ
)
が絶える、田沢の家を、田沢の家をと、せめて後を
絶
(
たや
)
さないように遺言をしたんです。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そうそう、いつか承った。龍山公のお
血統
(
ちすじ
)
を探すについて、
尊公
(
そんこう
)
が内々その
詮議
(
せんぎ
)
を仰せつかっているというような話を——」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
數「それは
些
(
ち
)
と違うだろう、菊様はお
血統
(
ちすじ
)
だ、
仮令
(
たとえ
)
お
四才
(
よっつ
)
でも菊様が御家督にならなければなるまい、御舎弟を直すのは些と道理に違って
居
(
お
)
るように心得る」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私の家の
血統
(
ちすじ
)
を引いた男の児にだけ
祟
(
たた
)
るという、その恐ろしい、不思議な絵巻物の力を、科学の力で打ち破って、その
呪咀
(
のろい
)
がこの児にかからないようにして下さい。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「至って御丈夫に見えますが、どうも御当家のお
血統
(
ちすじ
)
には、代々、女の方が
夭折
(
わかじに
)
と極まっているので、御隠家様にはそれのみが御心痛なので」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あなたも
愛想
(
あいそ
)
が尽きて、私の四ツの時に置いてお
出
(
で
)
になった位ですから、よく/\の事で、お怨み申しませんが、
私
(
わたくし
)
は縁は切れても
血統
(
ちすじ
)
は切れない実のお母さま
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出世を
競
(
せ
)
り合うて
呪咀
(
のろ
)
い合うものと聞いた、蔵元屋の前の御寮さんが、コッソリ里子に遣ったままにして置いた芋屋の娘……正しく蔵元屋の
血統
(
ちすじ
)
を引いた、お熊さん同様の一点の疵もない卵の剥き身
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
足利
(
あしかが
)
一族の
裔
(
すえ
)
である。室町将軍の
血統
(
ちすじ
)
が絶えたときは、吉良氏が世継ぎを出すことになっていたものだと云うことが、上野介のよく持ち出す自慢話であった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ホッ/\
血統
(
ちすじ
)
は切れんという道理に迫り、
素
(
もと
)
より私は
両人
(
ふたり
)
を逃がせば死ぬ覚悟、ホッ/\江戸で白翁堂に
相
(
み
)
て貰った時、お前は死相が出たから死ぬと云われたが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
吉光御前の
血統
(
ちすじ
)
は六波羅の
忌
(
い
)
むところとなって、義朝の子たちである——
頼朝
(
よりとも
)
や
遮那王
(
しゃなおう
)
(義経)のような厳しい追放をうけないまでも、何らかの監視と、束縛に
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お祖父さんも
以前
(
まえ
)
は大小を差して、戸田家にて
仮令
(
たとえ
)
少禄でも
御扶持
(
ごふぢ
)
を戴いたものだ、其の孫だからお前も
武士
(
さむらい
)
の
血統
(
ちすじ
)
を引いて居るではないか、忠孝
全
(
まった
)
からずと云うて
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さては聖天山へ連れ出して殺した甚藏は
矢張
(
やっぱり
)
お賤の為には
血統
(
ちすじ
)
の兄であったか、実に因縁の深い事、アヽお累が自害の
後
(
のち
)
此のお賤が又
斯
(
こ
)
う云う変相になるというのも
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
血統
(
ちすじ
)
の末に、ひとりの
唖
(
おし
)
の子が産れるぐらいは、諸行応報のさばきから
遁
(
のが
)
れ得ない人間の子としては、むしろ慈悲のお
酬
(
むく
)
いと、有難く思っていいのではないか。彼女は、そう考え直した。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おえいと多助とは十九と
廿
(
はたち
)
年合
(
としあい
)
も
好
(
よ
)
かんべいと思う、
母親
(
おふくろ
)
は多助のためには実の叔母なりするから、
血統
(
ちすじ
)
三人で此の
家
(
うち
)
を
履
(
ふ
)
めば
大丈夫
(
でいじょうぶ
)
、そうして太左衞門
汝
(
われ
)
が後見をして
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いまこそ
迷夢
(
めいむ
)
がさめたであろう、わしのような少年ですら、
甲斐源氏
(
かいげんじ
)
を
興
(
おこ
)
さんものと、ひたすら心をくだいているのに、いかにとはいえ、二十四将の一人に数えられ、
武田家
(
たけだけ
)
の
血統
(
ちすじ
)
でもある
其許
(
そこもと
)
が
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お前
様
(
さん
)
には
甥
(
おい
)
だが
竹次郎
(
たけじろう
)
を
宅
(
うち
)
へ入れる積りですが、当人が厭だと云うかも知れませんが、お前様の
血統
(
ちすじ
)
だから是非此の
家
(
や
)
を
継
(
つが
)
せるより仕方は無いが、嫁が悪いといけないよ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「成程、青砥弥助が言っていたが、この家は、美人の
血統
(
ちすじ
)
だ」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かめ「多助々々と仰しゃいますが、
彼
(
あれ
)
は親を捨てゝ
家
(
うち
)
を出るような奴ですから、
仮令
(
たとえ
)
帰って来ても私の
血統
(
ちすじ
)
だけに世間様へ対して入れられませんから、おえいに婿を取るのは
当然
(
あたりまえ
)
です」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“血統(
家系
)”の解説
家系(かけい)または血統(けっとう、ちすじ)とは、親子・兄弟・婚姻・養子など様々な関係性で結ばれる特定の家族、血族集団を指す。一定の血族集団の中で同一の階級または地位、氏、家名、家格、家業、家財を世襲で継承する場合に使われることが多い。類似概念に家柄などがある。
(出典:Wikipedia)
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
統
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
“血統”で始まる語句
血統證
血統探