“千条”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちすじ87.5%
ちすぢ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もとより云う事はあるのだから、何か云おうとするのだが、その云おうとする言葉が咽喉のどを通るとき千条ちすじれでもするごとくに
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ただその心臓は音するばかり、波立つごとく顫動せんどうせるに、溢敷こぼれしきたる黒髪ゆらぎて、千条ちすじくちなわうごめきぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宮は千条ちすぢの緑の陰より、その色よりはやや白きおもてあらはして、追来る人をと見たりしが、つひに疲れて起きも得ざる貫一の、唯手をげてはるかむるを、ゆるし給へと伏拝ふしをがみて、つと茂のうちに隠れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)