しみ)” の例文
岸から余り遠くない所に、天狼星てんらうせいが青く水に映つてゐる。其影のしみのやうに見える所を、長い間ぢつと見てゐると、ぢき側にたまの形をした栓の木の浮標が見える。
センツアマニ (新字旧仮名) / マクシム・ゴーリキー(著)
人の凍死こゞえしするも手足の亀手かゞまる陰毒いんどく血脉けちみやくふさぐの也。にはか湯火たうくわねつを以てあたゝむれば人精じんせい気血きけつをたすけ、陰毒いんどく一旦いつたんとくるといへどもまつたさらず、いんやうかたざるを以て陽気やうきいたれ陰毒いんどくにくしみくさる也。
娘ははやく見たく物をしかけたるをもうちおきてひらき見れば、いかにしてかぜにほどなるすゝいろのしみあるをみて、かゝさまいかにせんかなしやとてちゞみかほにあてゝ哭倒なきたふれけるが、これより発狂きちがひとなり