“月暈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おかさ33.3%
つきがさ33.3%
つきのかさ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのまわりに暖かそうな月暈おかさが銀をいぶしたようにかすんで見えている。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そして、このとき今まで彫刻的ちょうこくてきに見えた小初の肉体から妖艶ようえん雰囲気ふんいき月暈つきがさのようにほのめき出て、四囲の自然の風端の中に一不自然な人工的の生々しい魅惑みわくき開かせた。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ふと池の向ひの木立の蔭に淡赤うすあかい電燈の影が、月暈つきのかさのやうな円を描いて、庭木や草の上に蒼白あをじろく反映してゐるのが目についたが、それは隠居所のやうな一むね離房はなれで、瓦葺かはらぶきの高い二階建であつた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)