“瓦葺”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かわらぶき50.0%
かわらぶ42.3%
かはらぶ3.8%
かはらぶき3.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから左右の家並いえなみを見ると、——これは瓦葺かわらぶき藁葺わらぶきもあるんだが——瓦葺だろうが、藁葺だろうが、そんな差別はない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
茅葺かやぶき板葺こけら瓦葺かわらぶきの嫌いなく、隣から隣へと屋根を伝って、彼は駅尽頭しゅくはずれの方へ逃げて行った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
会所の新築ができ上がったことをも寿平次に告げて、本陣の焼け跡の一隅いちぐうに、以前と同じ街道に添うた位置に建てられた瓦葺かわらぶきの家をさして見せた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ガラス工場などは板屋根だからよけいに草が茂っていたが、瓦葺かわらぶきの屋根にも青々とした草が黄色い花をつけていた。
明治の初年薩摩境に近い肥後ひごの南端の漁村から熊本の郊外に越した時、父が求めた古家で、あとでは瓦葺かわらぶきの一棟が建増されたが、母屋おもやは久しく茅葺であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
朝夕のたつきも知らざりし山中やまなかも、年々の避暑の客に思わぬけぶりを増して、瓦葺かわらぶきのも木の葉越しにところどころ見ゆ。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
地方によっては普通の農民に、瓦葺かわらぶきや破風はふ作り等の家を許さず、たまたま領主に対して功労のあったものにのみ、特典としてこれを認めた。
家の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
寺を瓦葺かわらぶきといった言葉が伊勢神宮いせじんぐうにもあって、宮殿きゅうでんや神のおやしろでさえも、さいしょは瓦をつかってはいなかった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
瓦葺かわらぶきの、三十坪ちかくありそうな平屋の建物で、屋根を掛けた井戸が脇にあり、四五人の女たちが菜を洗っていた。
瓦葺かわらぶきの大きな門はしまつてゐたが、丁度ちょうどその時くぐりがカタリとあいて、一人の老神父が出て来た。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
鷹揚おうやうな好人物の主人をつたお安の實家さとが、村に唯一つの瓦葺かはらぶきの大きな家と、立派な長屋門とを殘して、財産は何時の間にかタバコの煙のやうにして了つたのに比べると
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
西の方の小山の裾に、お寺の大きな屋根を眞ん中にして、富んでゐるらしい瓦葺かはらぶきの家や藁葺きの家や白壁の光る土藏なぞが、ごちや/\と一塊りになつてゐるのは、××の部落で、其處の男女が三人五人、いだ獸皮の眞白に見えるのを、この川原に持ち出して、清らかな水にさらしてゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ふと池の向ひの木立の蔭に淡赤うすあかい電燈の影が、月暈つきのかさのやうな円を描いて、庭木や草の上に蒼白あをじろく反映してゐるのが目についたが、それは隠居所のやうな一むね離房はなれで、瓦葺かはらぶきの高い二階建であつた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)