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瓦葺
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かわらぶき
ふりがな文庫
“
瓦葺
(
かわらぶき
)” の例文
此方
(
こちら
)
には葡萄棚もあり其の他
種々
(
いろ/\
)
な
菓物
(
くだもの
)
も作ってありまして、彼是一町
許
(
ばか
)
り入ると、屋根は
瓦葺
(
かわらぶき
)
だが至って風流な
家作
(
やづく
)
りがあります。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから左右の
家並
(
いえなみ
)
を見ると、——これは
瓦葺
(
かわらぶき
)
も
藁葺
(
わらぶき
)
もあるんだが——瓦葺だろうが、藁葺だろうが、そんな差別はない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
会所の新築ができ上がったことをも寿平次に告げて、本陣の焼け跡の
一隅
(
いちぐう
)
に、以前と同じ街道に添うた位置に建てられた
瓦葺
(
かわらぶき
)
の家をさして見せた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ガラス工場などは板屋根だからよけいに草が茂っていたが、
瓦葺
(
かわらぶき
)
の屋根にも青々とした草が黄色い花をつけていた。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
明治の初年薩摩境に近い
肥後
(
ひご
)
の南端の漁村から熊本の郊外に越した時、父が求めた古家で、あとでは
瓦葺
(
かわらぶき
)
の一棟が建増されたが、
母屋
(
おもや
)
は久しく茅葺であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
ツイ眼下に、
瓦葺
(
かわらぶき
)
の
大家根
(
おおやね
)
の
翼然
(
よくぜん
)
として
峙
(
そばだ
)
ッているのが視下される。アレハ大方
馬見所
(
ばけんじょ
)
の家根で、土手に隠れて形は見えないが車馬の声が
轆々
(
ろくろく
)
として聞える。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それでも彼は
猶
(
なお
)
一方の
血路
(
けつろ
)
を求めて、
唯
(
と
)
ある人家の屋根へ
攀登
(
よじのぼ
)
った。
茅葺
(
かやぶき
)
、
板葺
(
こけら
)
、
瓦葺
(
かわらぶき
)
の嫌いなく、隣から隣へと屋根を伝って、彼は
駅尽頭
(
しゅくはずれ
)
の方へ逃げて行った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
園をかこめる低き
鉄柵
(
てっさく
)
をみぎひだりに結いし
真砂路
(
まさごじ
)
一線に長く、その果つるところに
旧
(
ふ
)
りたる石門あり。入りて見れば、しろ
木槿
(
もくげ
)
の花咲きみだれたる奥に、
白堊
(
しらつち
)
塗りたる
瓦葺
(
かわらぶき
)
の高どのあり。
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
茅葺
(
かやぶき
)
には様々な美しいのがあるし、
瓦葺
(
かわらぶき
)
でも
石州
(
せきしゅう
)
の
窯場
(
かまば
)
の赤屋根の如きは忘れられぬものではあるが、形の立派さではこの石屋根に比肩するものは他にあるまい。支那の強ささえ
聯想
(
れんそう
)
される。
野州の石屋根
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
雪かなしいつ大仏の
瓦葺
(
かわらぶき
)
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
瓦葺
(
かわらぶき
)
の門の柱に里見恭助という標札が出ている。三四郎はここを通るたびに、里見恭助という人はどんな男だろうと思う。まだ会ったことがない。門は締まっている。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
園
(
その
)
をかこめる低き
鉄柵
(
てっさく
)
をみぎひだりに結ひし
真砂路
(
まさごじ
)
一線
(
ひとすじ
)
に長く、その果つるところに
旧
(
ふ
)
りたる石門あり。
入
(
い
)
りて見れば、しろ
木槿
(
もくげ
)
の花咲きみだれたる奥に、
白堊
(
しろつち
)
塗りたる
瓦葺
(
かわらぶき
)
の高どのあり。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
ですが屋根が本格的な形をとるのは一段と進んだ
瓦葺
(
かわらぶき
)
です。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
けれども
這入
(
はい
)
るのは始てゞある。
瓦葺
(
かわらぶき
)
の門の柱に里見恭助といふ標札が
出
(
で
)
てゐる。三四郎は
此所
(
こゝ
)
を通る
度
(
たび
)
に、里見恭助といふ人はどんな男だらうと思ふ。まだ
逢
(
あ
)
つた事がない。門は
締
(
しま
)
つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“瓦葺(瓦葺き)”の解説
瓦葺き(かわらぶき)は、陶器製(粘土瓦)や石(石瓦)、セメント(セメント瓦)、金属製(銅瓦など)のものを用いた、全世界で行われている瓦を用いた屋根仕上げ。建材である瓦で屋根を葺いたもの。
2020年「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、この中に「屋根瓦葺(本瓦葺)」が含まれている。
(出典:Wikipedia)
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
葺
漢検準1級
部首:⾋
12画
“瓦”で始まる語句
瓦斯
瓦
瓦解
瓦礫
瓦斯燈
瓦屋根
瓦町
瓦版
瓦斯煖炉
瓦斯灯