“板葺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いたぶき69.4%
いたぶ22.2%
こけら5.6%
そぎぶき2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
板葺いたぶきの屋根は朽ち乾いて松毬まつかさのようにはぜ、小さな玄関の柱やはめ板は雨かぜにさらされて、洗いだしたように木目が高くあらわれていた。
日本婦道記:糸車 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
或いはまた板葺いたぶき屋根の上に、どしんと物の落ちた響がして、驚いて出てみたら、気を失ってその児が横たわっていた、という話もある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それでも彼はなお一方の血路けつろを求めて、ある人家の屋根へ攀登よじのぼった。茅葺かやぶき板葺こけら瓦葺かわらぶきの嫌いなく、隣から隣へと屋根を伝って、彼は駅尽頭しゅくはずれの方へ逃げて行った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大塚の隣屋敷に広い桑畑くわばたけがあって其横に板葺そぎぶきちいさな家がある、それに老人としより夫婦と其ころ十六七になる娘がすんで居ました。以前は立派な士族で、桑園くわばたけすなわち其屋敷跡だそうです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)