“こけら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コケラ
語句割合
30.0%
板葺20.0%
𣏕20.0%
10.0%
10.0%
柿板10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
町人は煙草たばこを吸いつけて、尾籠びくの中をのぞきこんだ。尾籠の底には、魚のこけらもなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは娘を小声で制して、しばらくそっと窺っていると、猫は長い尾を引き摺りながら、踊るような足取りで板葺こけら屋根の上をふらふらと立ってあるいた。女房はぞっとして鶏肌とりはだになった。
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
都会の家はたいてい瓦葺きだが、こけら葺きの家も多く、一歩出ると藁葺きの屋根も沢山ある。屋根が燃えやすいので、東京では大火事が度々ある。
人々は、建物が木造で、薄いこけら板か萱葺かやぶきかの最も燃えやすい屋根があるので、火事に就ては非常に注意する。
道を挟んで、牡丹と相向う処に、亜鉛トタンこけらの継はぎなのが、ともに腐れ、屋根が落ち、柱の倒れた、以前掛茶屋か、中食ちゅうじきであったらしい伏屋の残骸ざんがいが、よもぎなかにのめっていた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ななかまどと接骨木にわとこの木だけの、たけの低い小さな庭があって、その叢みの奥に、柿板こけら葺きの木造の小舎がかくれており、擦ガラス入りの小さな窓が一つ見えていた。