“板葺(こけら)” の例文
それでも彼は猶(なお)一方の血路(けつろ)を求めて、唯(と)ある人家の屋根へ攀登(よじのぼ)った。茅葺(かやぶき)、板葺(こけら)、瓦葺(かわらぶき)の嫌いなく、隣から隣へと屋根を伝って、彼は駅尽頭(しゅくはずれ)の方へ逃げて行った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かれは娘を小声で制して、しばらくそっと窺っていると、猫は長い尾を引き摺りながら、踊るような足取りで板葺(こけら)屋根の上をふらふらと立ってあるいた。女房はぞっとして鶏肌(とりはだ)になった。
半七捕物帳:12 猫騒動 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)