“しば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シバ
語句割合
暫35.4%
縛29.1%
柴9.7%
芝9.3%
斯波3.5%
姑2.5%
司馬1.2%
少1.2%
久1.0%
屡0.8%
絞0.7%
且0.5%
切0.5%
繋0.5%
駟馬0.5%
凍0.3%
仕栄0.3%
縊0.3%
結0.2%
口禁0.2%
士馬0.2%
少時0.2%
括0.2%
撓0.2%
數0.2%
欺波0.2%
死馬0.2%
紙馬0.2%
緊0.2%
緊束0.2%
締0.2%
繁0.2%
霎0.2%
鞭打0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……暫(しば)らくしてから「次郎! 次郎!」と呼びながら、一人の、ずっと大きな、見知らない男の子が庭へ這入(はい)って来るのを私は見た。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
彼は用意の細引を取り出すと、死人のような探偵のからだを、グルグル巻きに縛(しば)り上げ、手拭(てぬぐい)を丸めて厳重な猿ぐつわをほどこした。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まず朱然(しゅぜん)は、茅(かや)柴(しば)の類を船手に積み、江上に出て風を待て、おそらくは明日の午(うま)の刻を過ぎる頃から東南の風が波浪を捲くだろう。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは子供の時に、麹町から神田、日本橋、京橋、それからそれへと絵草紙屋を見てあるいて、とうとう芝(しば)まで行ったことがあった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
早雲と同じころに擡頭(たいとう)した越前の朝倉敏景も注目すべき英雄である。朝倉氏はもと斯波(しば)氏の部将にすぎなかったが、応仁の乱の際に自立して越前の守護になった。
従て私は和名も科名も共にこれをカナで書く事を決行実践したのであったが、その時独(ただ)科の字のみは姑(しば)らく故(ことさ)らにこれを存置した。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
唐の柳宗元(りゅうそうげん)先生が永州(えいしゅう)の司馬(しば)に左遷される途中、荊門(けいもん)を通過して駅舎に宿ると、その夜の夢に黄衣の一婦人があらわれた。彼女は再拝して泣いて訴えた。
何事も解せぬ風情(ふぜい)に、驚ろきの眉(まゆ)をわが額の上にあつめたるアーサーを、わが夫と悟れる時のギニヴィアの眼には、アーサーは少(しば)らく前のアーサーにあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は眼を皿のようにして、久(しば)らく相手の顔をまじまじと見つめていたが、ようやく最後に、『それじゃあお前さまは、軍隊にお勤めになった方じゃごわせんのかい?』
併し、かかる意識(又はその意味に屡(しば)々用いられる処の理性)は単なる意識ではなくて歴史的意識(歴史的理性)でなければならない。何故なら現実的存在が歴史的なのであったから。
辞典 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
股(また)のあいだに捲(ま)きこんで、絞(しば)り首にでもされるような様子でおずおずと歩き、しきりにヴァン・ウィンクルのかみさんを横目でうかがうのだった。
且留悴竹姿 且(しば)らく留む悴竹の姿。
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
屑屋は眼(まなこ)を閉じ、歯を切(しば)り、音するばかり手足を悶(もだ)えて、苦痛に堪えざる風情なりき。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武はその言葉に従って、林児を繋(しば)って邑宰の所へ送った。しかし御史の家から名刺をよこしてくると、邑宰は林児を釈(ゆる)してその下男に渡して帰した。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
斯うして汝等と同じ安泊(やすどまり)に煤(くす)ぶりおるが、伊勢武熊は牛飼君の股肱(ここう)ぢやぞ。牛飼君が内閣を組織した暁は伊勢武熊も一足飛に青雲に攀ぢて駟馬(しば)に鞭(むちう)つ事が出来る身ぢや。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
女の太政大臣(だいじょうだいじん)、女の検非違使(けびいし)、女の閻魔王(えんまおう)、女の三十番神、——そういうものが出来るとすれば、男は少し助かるでしょう。第一に女は男狩りのほかにも、仕栄(しば)えのある仕事が出来ますから。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「人を殺せば殺されるのがお上(かみ)の掟(おきて)。掟どおりにあいつを縊(しば)り首(くび)にしてくんなされ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猿轡(さるぐつわ)と申して口の中へ何か小さい片布(きれ)を押込み、其の上を手拭にて堅く結(しば)り、島田髷はガックリと横に曲り、涙が伝わって襦袢の半襟が濡れて居りまする。
悪くするとお母(っか)さんからお前枕を頭へ結い付けて置きな、足を結(しば)ってお寝なぞとお小言が出ますが、これは誠に感心致しませんもので、伊之助は何ういう訳だか左の足が痛み出しましたが
よほど秘密(くち)を口禁(しば)っとると見えて、イクラ上手に探りを入れても丁稚、飯炊女に到るまで、眼の球(たま)を白うするばっかりで、内輪の事と言うたら一口も喋舌り腐らん
復(また)密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平(ほくへい)は、形勝の地にして、士馬(しば)精強に、金(きん)元(げん)の由って興るところなり、今宜(よろ)しく封(ほう)を南昌(なんしょう)に徒(うつ)したもうべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
潰(つぶ)し互ひに顏を見合せて少時(しば)し言葉(ことば)も無(なか)りしが大膳は吉兵衞に向ひ我こそは赤川大膳とて則(すなは)ち山賊の棟梁(とうりやう)なりまた此(これ)なるは藤井左京とて近頃此山中に來りて兄弟の縁(えん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この絞りの蚊帳というは蚊帳に穴が明いているものですから、処々(ところ/″\)観世縒(かんじんより)で括(しば)ってあるので、其の蚊帳を吊り、伴藏は寝※(ねござ)を敷き、独りで寝ていて、足をばた/\やっており
棒は倒れも撓(しば)りもしません。依然として雲表に聳えて居ます。
天草四郎の妖術 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
三二五 睡眠を好み、饕餮に、心昧劣にして、展轉して寢ね、穀類に肥えたる大豚の如き暗鈍者は數(しば)しば胞胎に入る。
法句経 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
両家とも欺波(しば)家の家老である。応仁の乱の時、斯波家も両方に分れたとき、朝倉は宗家の義廉に叛(そむ)いた治郎大輔(たいふ)義敏にくっついた。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
骨董を買う以上は贋物を買うまいなんぞというそんなケチな事でどうなるものか、古人も死馬(しば)の骨を千金で買うとさえいってあるではないか。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
許宣も本堂の前で香を燻(くゆ)らし、紙馬(しば)紙銭(しせん)を焼き、赤い蝋燭に灯を点(とも)しなどして、両親の冥福を祈った。そして、寺の本堂へ往き、客堂へあがって斎(とき)を喫(く)い、寺への布施(ふせ)もすんだので山をおりた。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
(どうだ、手前(てめえ)が嫉妬で死んだ時の苦しみは、何とこのくらいのものだったかい。)と怨念に向いまして、お神さんがそう云いますと、あの、その怨霊(おんりょう)がね、貴方、上下(うえした)の歯を食い緊(しば)って
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私はいきなり負傷者の服の袖を引裂いて、出血を防ぐために自分のハンケチでその腕を緊束(しば)ってやった。
そうして、身体は思うように利(き)かない。自分は歯を食い締(しば)って、両手で握った段木を二三度揺り動かした。無論動きゃしない。いっその事、手を離しちまおうかしらん。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
間(ま)無(な)く繁(しば)鳴(な)く恨(うらみ)さへ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
智恵子は稍霎(しば)しその物憐れな室の中を見てゐたが、黙つて襖を閉めて、自分の室に入つて行つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
牛のすぐ後ろへ続いて、妻が大きな手籠(てかご)をさげて牛の尻(しり)を葉のついたままの生(なま)の木枝で鞭打(しば)きながら往(ゆ)く、手籠の内から雛鶏(ひよっこ)の頭か、さなくば家鴨(あひる)の頭がのぞいている。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)