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屡
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しば
ふりがな文庫
“
屡
(
しば
)” の例文
私達は居酒屋の娘に
屡
(
しば
)
しの別れを告げに行つた学生の三原を待つた。間もなく三原と娘が田圃道を此方へ向つて歩いて来るのが解つた。三原は娘の肩に腕を載せてゐる。
川を遡りて
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
併し、かかる意識(又はその意味に
屡
(
しば
)
々用いられる処の理性)は単なる意識ではなくて歴史的意識(歴史的理性)でなければならない。何故なら現実的存在が歴史的なのであったから。
辞典
(新字新仮名)
/
戸坂潤
(著)
この二年のあいだに、左内は
屡
(
しば
)
しば喜多を訪れ、兄の勘一郎とよく議論をした。
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
或る日、彼女は、昔は
其処
(
そこ
)
に水車場があったと私の教えた場所のほとりで、
屡
(
しば
)
しば、背中から
花籠
(
はなかご
)
を下ろして、
松葉杖
(
まつばづえ
)
に
靠
(
もた
)
れたまま
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ふ
)
いている、
跛
(
ちんば
)
の花売りを見かけることを私に話した。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
よしや此恋
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
うみ
)
の氷より堅くとも春風のぼや/\と説きやわらげ、凝りたる
思
(
おもい
)
を水に流さし、後々の故障なき様にせではと田原は
笑顔
(
えがお
)
あやしく作り
上唇
(
うわくちびる
)
屡
(
しば
)
甞
(
なめ
)
ながら、それは一々至極の御道理
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
そのうちに私たちがやっと短い会話を取り
交
(
か
)
わすようになり、それと共に、
屡
(
しば
)
しば、私は彼女の顔をまともから眺めるようになったのにも
拘
(
かかわ
)
らず、彼女の顔がなおも絶えず変化しているのに
愕
(
おどろ
)
いた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
屡
漢検準1級
部首:⼫
12画
“屡”を含む語句
屡々
屡〻
屡叩
屡次
屡瞬
屡ゝ
多摩枳波屡
大変屡々
屡〻見
屡屡