しば)” の例文
胸一杯の悲しみにことばさへ震へ、語り了ると其儘、齒根はぐき喰ひしばりて、と耐ゆる斷腸の思ひ、勇士の愁歎、流石さすがにめゝしからず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
またのあいだにきこんで、しばり首にでもされるような様子でおずおずと歩き、しきりにヴァン・ウィンクルのかみさんを横目でうかがうのだった。
また検非違使庁けびいしちょうには、布十五反以上を盗んだものは、律ではしばり首、格では十五年の使役という擬文律があるが、それでは聖叡にそわないから、死罪はないことにし
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
僕など生きることしか手を知らないのだから、酒となり肉体となり、時には荘周先生のごとちょうともなれば、ここに幻術の限りをつくしてつらくも生きているにすぎない。あに牢獄を、しばり首をおそれんや。
余はベンメイす (新字新仮名) / 坂口安吾(著)