司馬しば)” の例文
「たびたび御書面をもって、上申じょうしんつかまつりましたとおり、司馬しば先生生前より、妻恋坂の道場に容易ならぬ陰謀がありまして——」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
唐の柳宗元りゅうそうげん先生が永州えいしゅう司馬しばに左遷される途中、荊門けいもんを通過して駅舎に宿ると、その夜の夢に黄衣の一婦人があらわれた。彼女は再拝して泣いて訴えた。
太史公たいしこういはく、司馬しば兵法へいはふむに、(三六)閎廓くわうくわく深遠しんゑんにして、(三七)だい征伐せいばついへども、いま其義そのぎつくす※あたはず、其文そのぶんごときは、また(三八)すこしくはうせり。
夜深うしてこうを行ふ彼何の情ぞ 黒闇々中刀に声あり 圏套けんとう姦婦の計を逃れ難し 拘囚こうしゆう未だ侠夫の名を損ぜず 対牛たいぎゆう楼上無状をす 司馬しば浜前はままえに不平を洩らす 豈だ路傍狗鼠くそ
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
“——中唐の元和十年、私は九江郡の司馬しば左遷させんされ、秋の一夜、客を埠頭ふとうに見送った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ではここは司馬しばの藪地か?」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかうして諸矦しよこうせいてうす。せい威王ゐわう大夫たいふをして古者いにしへ司馬しば兵法へいはふ(三五)追論つゐろんせしめ、しかうして穰苴じやうしよ((ノ兵法))を其中そのうちけ、つてがうして司馬穰苴しばじやうしよ兵法へいはふふ。
江戸は妻恋坂つまこいざかに、あの辺いったいの広大な地を領して、その豪富ごうふ諸侯しょこうをしのぎ、また、剣をとっては当節府内にならぶものない十方不知火流じっぽうしらぬいりゅうの開祖、司馬しば老先生の道場が
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
穆家ぼくけの美しい末娘が琵琶びわをかかえて、この地方の名所、潯陽江じんようこうのゆかりにちなみ、かの中唐ちゅうとうの詩人白楽天はくらくてんがそこの司馬しば左遷させんされたときに作ったという“琵琶行びわこう”を聴かせてくれたことである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
穰苴じやうしよ區區くくとして小國せうこくめにるがごとき、なん司馬しば兵法へいはふ(三九)揖讓いふじやうおよぶにいとまあらんや。すで司馬しば兵法へいはふおほし、ゆゑもつろんぜず、穰苴じやうしよ列傳れつでんあらはす。
恍惚こうこつとして身は司馬しばの客とともに舟中にる気がしてくる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)