“手摺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てすり64.7%
てず18.6%
てす9.8%
てずれ4.9%
てずり1.0%
テスリ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物干場へ上がると、手摺てすりが外れてゐて、屋根へ轉げ落ちさうになつたり、夜なんか外へ出ると、誰かきつと後ろからいて來たり——
木枯こがらしさけぶすがら手摺てずれし火桶ひおけかこみて影もおぼろなる燈火とうかもとに煮る茶のあじわい紅楼こうろう緑酒りょくしゅにのみ酔ふものの知らざる所なり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
二階の床には円屋根と同じ直径の穴があり、古めかしき手摺てすりがあり、その穴からヨカナアンの首が現れそうな気がした。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
御金おかねは」と云つた。見ると、あひだにはない。三四郎は又衣嚢ポツケツトさぐつた。なかから手摺てずれのした札をつかした。女は手をさない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かくの如き手摺てずりの法は進んで享保に至り漆絵うるしえと呼びて黒色の上に強き礬水どうさを引きて光沢を出し更に金泥きんでいを塗りて華美を添ふるに至りしが、やがて寛保二
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
昔の浄瑠璃説教の人形芝居でも、手摺テスリを主として居るばかりではない。水ひき幕が其上にある。この水ひき幕と手摺テスリとの空間が、人形の世界で、即、箱の面影を止めたものなのであらう。