“手摺”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
てすり64.8%
てず17.6%
てす11.0%
てずれ4.4%
てずり1.1%
テスリ1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手摺てすりの前はすぐ大きな川で、座敷からながめていると、大変すずしそうに水は流れるが、むきのせいか風は少しも入らなかった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縁に出て手摺てすりから見下した時、敬太郎は松の根に一面と咲いた鷺草さぎそうを眺めて、あの白いものは何だと須永に聞いた事もあった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
廣間ひろまのともしともつてゐたので、手摺てすりの上から見下したり、召使達が往つたり來たりするのを眺めたりすることは、彼女を喜ばせた。
私がこの界隈かいわいを歩くのは、いつも古本屋をひやかすのが目的でしたが、その日は手摺てずれのした書物などをながめる気が、どうしても起らないのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
給仕は白い布巾ふきん小脇こわきにはさみながら、皆のところへ手摺てずれた骨牌かるたと骨牌の敷布の汚れたのを持って来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これは絵入で、幾冊もあって、厚い表紙は銀泥ぎんでいとでもいいますか、すっかり手摺てずれて、模様もはっきりしません。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
コンクリートの階段と手摺てすりとがあり、階段の上がり口には蘇鉄そてつや寒菊や葉蘭はらんなどの鉢が四つ五つ置いてあった。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
手摺てすりにつて頭痛づつうをたゝくに、おまへはどうするかねしくないかとはれて、わたしべつにほしいものがござんした
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
二階の床には円屋根と同じ直径の穴があり、古めかしき手摺てすりがあり、その穴からヨカナアンの首が現れそうな気がした。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
一幅ごとに残っている開閉あけたて手摺てずれあとと、引手ひきての取れた部分の白い型を、父は自分に指し示した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かれもちふるしたかばんよ。手摺てずれもやが一めんに、しみかた樺太からふとうかぶ。汽車きしや白河しらかはいたのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
健三はもう飽きたという風をして、手摺てずれのした貸本を投げ出した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かくの如き手摺てずりの法は進んで享保に至り漆絵うるしえと呼びて黒色の上に強き礬水どうさを引きて光沢を出し更に金泥きんでいを塗りて華美を添ふるに至りしが、やがて寛保二
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この水ひき幕と手摺テスリとの空間が、人形の世界で、即、箱の面影を止めたものなのであらう。
昔の浄瑠璃説教の人形芝居でも、手摺テスリを主として居るばかりではない。