“てず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手摺73.1%
手擦19.2%
3.8%
手磨3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だがその表題の題簽だいせんも、年経て文字もかすかに手摺てずれてしまい、江戸時代になってから、何代目かの所蔵者が、またその横に、題簽だいせんを貼り加えた。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
琴爪の方は、大分使い込まれたらしく手擦てずれていたが、かつて母のかぼそい指がめたであろうそれらの爪を、津村はなつかしさに堪えず自分の小指にあててみた。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そもそも天の此文しぶんほろぼさざるの深意なるべし。本日たまたま中元、同社、てずから酒肴しゅこうを調理し、一杯をあげて、文運の地におちざるを祝す。
中元祝酒の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
入口で木戸番がにっこりして、手磨てずれた大きな下足札げそくふだを渡しました。毎朝車で通る人とは知るまいと、兄はいつもいわれますけれど、どうでしょうか知ら。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)