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手擦
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てず
ふりがな文庫
“
手擦
(
てず
)” の例文
ところどころに書入のしてある古く
手擦
(
てず
)
れた革表紙の本だ。読みさしの
哥林多
(
コリンタ
)
前書の第何章かが机の上に開けてある。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
琴爪の方は、大分使い込まれたらしく
手擦
(
てず
)
れていたが、かつて母のかぼそい指が
箝
(
は
)
めたであろうそれらの爪を、津村はなつかしさに堪えず自分の小指にあててみた。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その外坐舗一杯に敷詰めた
毛団
(
ケット
)
、
衣紋竹
(
えもんだけ
)
に釣るした
袷衣
(
あわせ
)
、柱の
釘
(
くぎ
)
に懸けた
手拭
(
てぬぐい
)
、いずれを見ても皆年数物、その証拠には
手擦
(
てず
)
れていて古色
蒼然
(
そうぜん
)
たり。だが
自
(
おのずか
)
ら秩然と
取旁付
(
とりかたづい
)
ている。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
珍らしい彫物のある、年を經たのと
手擦
(
てず
)
れで、眞黒になつた大きな柱時計を眺めた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
赤紙
(
あかがみ
)
の表紙
手擦
(
てず
)
れし
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
長い髯の男は手にしていた古い革表紙の
手擦
(
てず
)
れた聖書を振って言った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
擦
常用漢字
中学
部首:⼿
17画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭