“てすり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:テスリ
語句割合
欄干40.1%
手摺26.7%
17.4%
手欄8.9%
勾欄1.6%
1.6%
手擦0.8%
鐵欄0.4%
人形遣ひ0.4%
手摩0.4%
0.4%
檻楯0.4%
鉄柵0.4%
鉄欄0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
酒倉のうちつゞく濱端はまばたの一地點に建てられた二階家の欄干てすりに近々と浪が寄せて、潮の香の鼻をつく座敷で、夜の更ける迄酒を飮んだ。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
プロムナアド・デッキの手摺てすりりかかって海につばいていると、うしろからかたたたかれ、振返ふりかえると丸坊主まるぼうずになりたての柴山でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
形ばかりの銕線はりがねてすりはあるが、つかまつてゆる/\渡る氣にもなれぬ。下の流れを見ぬ樣にして一息に渡つた。橋の長さ二十四間。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「どれ、拙者が喜捨きしゃしてつかわそう」森啓之助が、なにがしかの小粒銀を紙入れからつかみだして、手欄てすりの方へ立ち上がった。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
画題は〈楊貴妃〉それもあの湯上りの美しい肌を柔らかなうすものに包んで勾欄てすりに凭れながら夢殿の花園を望んで見ると言った構図で、尤も湯上りと言いますと何だか意気に
それはてすり雕彫ちょうこくをした朱のまどの見える美しい舟であったが、中から笙に合せて歌う歌声がかすかに聞えていた。水の上には霞がかかってあるかないかの波がゆるく画舫にからんでいた。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
小野さんは橋の手擦てすりに背をたせたまま、内隠袋うちがくしから例の通り銀製の煙草入を出してぱちりとけた。はくを置いた埃及煙草エジプトたばこの吸口が奇麗に並んでいる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
矢張やはりしづかなところございますねえ。』と春枝夫人はるえふじん此時このときさびしきえみうかべて、日出雄少年ひでをせうねんともにずつと船端せんたんつて、鐵欄てすりもたれてはるかなる埠頭はとばはうながめつゝ
『サンガローまち——おつかさん、わたくしいへ彼處あそこにあるんですねえ。』と少年せうねん兩手りようて鐵欄てすりうへせて
相応かなり資本もとでを父からけられると、それでもつて竹本座のあやつり芝居を買取つて、座主、興行ぬし、兼作者として奮闘し、正面のゆかを横に、人形遣ひてすりを三人に改めたり
続いて「へい、何か一枚御贔屓様ごひいきさまを」と云った。二階にしていた三味線のが止まって、女中が手摩てすりつかまって何か言っている。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
今夜のてすり役は皆一流の上手ばかりを撰りすぐつて來たと云ふことであつた。
譔はおそれて傍にある檻楯てすりに掻きついた。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
晩秋おそあきれにたる鉄柵てすりのうへに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)