“こうらん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勾欄46.5%
攪乱28.2%
高欄11.3%
紅蘭5.6%
高覧4.2%
好乱1.4%
鉤闌1.4%
閎覧1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう云う時平は、これも正体なく酔っていて、車が勾欄こうらんきわへぴったりと引き寄せられても、そこまで歩いて行くことさえ困難に見えた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あえてこのさびのついた庭の面を荒すというようなことはありませんでしたが、不意に、二つの珍客が舞い込んで攪乱こうらんしました。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
真夜中に、仁王門の高欄こうらんの上から、まるで石川五右衛門みたいに、人間豹が頬杖ほおづえをついて、仲見世なかみせの通りを見おろしていたという怪談もあった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これが若い時は閨秀けいしゅう詩人で鳴らした紅蘭こうらん女史であった。紅蘭が無月の洒落しゃれをいっても、奥で、笑いもせずにいる霊芝れいしみたいな人間は、むろん慷慨こうがい詩家、梁川星巌やながわせいがんなのである。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ですから、これよりおもむろにご高覧こうらんきょうします。……せいてはことを仕損ずる。……まあまあ、手前の凧あげでも見ておいでなさい。……仙波阿古十郎、これから凧をあげます。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これを賞めるにやぶさかでないが、依然、武力を行使し、侵略を事とし、魏を攻めんなどとする志を持つに至っては、まさに、救うべからざる好乱こうらんの賊子、蜀のぞくくらって蜀を亡ぼす者でなくてなんぞ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ええ、何んでも此処ここは、けら鉤闌こうらんの下に月に鳴く、文帝ぶんていちょうせられた甄夫人けんふじんが、のちにおとろえて幽閉されたと言うので、鎖阿甄あけんをとざす。とあって、それから
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
切にこいねがわくは世の閎覧こうらん博物の君子、指教をおしまず我儕の足らざるを補ひ、以て世に益するあらば幸甚。