“はんてん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
半纏32.8%
斑点22.9%
半纒17.7%
絆纏4.9%
袢纏4.9%
袢纒4.3%
半天3.8%
斑點3.2%
袢天2.0%
絆纒2.0%
反坫0.6%
絆天0.6%
盤纏0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船頭の半纏はんてんや、客の羽織などを着せて、こすったり叩いたり、いろいろ介抱に手を尽していると、どうやらこうやら元気を持ち直します。
ところどころ、樹のまわりには、黄色い斑点はんてんが、鷓鴣のようでもあり、また土くれのようでもあり、私の眼はすっかり迷ってしまう。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
短い半纒はんてんに、逞しい下半身をあらわにした船頭は、巧みにを操りながら、その示すとおりに、すばやく舟をこぎまわすのであった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
這入ろうと思って片足高い処に踏み掛けたが、丁度出入口の処に絆纏はんてんを着た若い男が腕組をして立っていて、屹然きつぜんとして動かない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
戸棚を細目にあけてそう言ったのは、二、三日前の晩、袢纏はんてんひもでしばって着てきて、台所で叱られていた女だった。
と、いう声に二人が驚いて振り向くと、いつのまにおりて来たのか、文次の袢纒はんてんに、愛刀帰雁を引っつかんだ篁守人の立ち姿!
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
次の日の午時頃ひるごろ、浅草警察署の手で、今戸の橋場寄りの或露地ろじの中に、吉里が着て行ッたお熊の半天はんてん脱捨ぬぎすててあり
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
凄まじい形相ですが、美しさは一入ひとしほで、鉛色に變つた喉から胸へ、紫の斑點はんてんのあるのは、平次が幾度も見てゐる、『岩見いはみ銀山鼠取り』の中毒です。
袢天はんてんの袖に、カガシのように手を通しながら、漁夫が段々を上ってきて、ハッチから首を出した。首を出したまま、はじかれたように叫んだ。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
汚れた絆纒はんてんに、色の褪せた紺腿引をはき、シベリヤの農夫のように、脚にグルグルと襤褸ぼろをまきつけている。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
管仲くわんちうとみ公室こうしつ(三二)し、(三三)反坫はんてんあり。(三四)齊人せいひともつおごるとさず。管仲くわんちうしゆつす。(三五)齊國せいこく其政そのまつりごとしたがつて、つね諸矦しよこうつよかりき。のち餘年よねんにして晏子あんしあり。
こん絆天はんてんの上に前垂をしめて、丸くふくれている。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
一年余の間無益な往反をして、貞固の盤纏はんてんわずか一分銀いちぶぎん一つをあましていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)