“はんてん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
半纏34.1%
斑点21.7%
半纒14.5%
絆纏5.1%
袢纒5.1%
袢纏4.7%
半天4.3%
斑點4.0%
絆纒2.5%
袢天2.5%
(他:4)1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市松格子いちまつこうし半纏はんてんを、だらしなく羽織った櫛巻きお藤の顔へ、与吉のふかす煙草の煙が、フンワリからむ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「からかっちゃいけねえ。だるまじゃあるまいし、赤い半纏はんてんなんてのはお祭りにだって着て出られるわけのものじゃない。」
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それを石膏せっこう型にとって岡野さんは帰朝される時持ちかえられたが、帰国後石膏に斑点はんてんが出たという通知があった。
自作肖像漫談 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
ハクオウというのは、花蓋片かがいへんが白くて斑点はんてんなく中央に黄筋きすじの通っているもので、これも園芸品である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
部屋造りの洒落れた割合に、雇人の寢具や着物などが散らばしてあり、半纒はんてんも帶も、投出したまゝ淺ましい限りです。
おしのは頷いたが、半纒はんてんをひっかけて起き、父の枕許へすり寄って、手拭で汗を拭いてやってから、薬湯を注ごうかと訊いた。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
四、五日前には三条の河道屋というそばやに手伝いに行き、粗末な黒木綿の絆纏はんてんを着て朝から夜の七時まで働きました。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ふいと庭下駄を穿いて門に出て、しゃがんで往来を見ていた。絆纏はんてんを着た職人が二人きれぎれな話をして通る。息が白く見える。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
と、いう声に二人が驚いて振り向くと、いつのまにおりて来たのか、文次の袢纒はんてんに、愛刀帰雁を引っつかんだ篁守人の立ち姿!
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「仕事着のまゝで行つたので、あんまりひどいからと、それを脱いで新しい袢纒はんてんを引つかけて行つたやうです」
戸棚を細目にあけてそう言ったのは、二、三日前の晩、袢纏はんてんひもでしばって着てきて、台所で叱られていた女だった。
「出刃庖丁は伝吉のだし、流し元は血だらけだし、袢纏はんてんはプンとなまぐさいぜ。魚の血だか、人間の血だか解ったものじゃない」
婆さんはその薄暗の中に、半天はんてんの腰をかがめながら、ちょうど今何か白いけものき上げている所だった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
殘月ざんげつしたに、半天はんてんおほうたいまはしき魔鳥まてうつばさ
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さてまた粗なること、汝のたづぬるかの斑點はんてん原因もとならば、この遊星には、その材の全く乏しき處あるか 七三—七五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
娘の死體に殘された腹部の斑點はんてんが、すつかり平次を焦立いらだたせたのです。
「昨夜のお供ですよ。提灯は手拭で鉢卷をさせて紋所を隱してあつたし、供の者の絆纒はんてんは皆んな裏返しに着て居たさうで」
汚れた絆纒はんてんに、色の褪せた紺腿引をはき、シベリヤの農夫のように、脚にグルグルと襤褸ぼろをまきつけている。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今までも泥の中へ何度も倒れたと見えて、たださえ色の変った袢天はんてんがびたびたにれて寒く光っている。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
中には長蔵さんのような袢天はんてんけんどてらを着た上に、天秤棒てんびんぼうさえかついだのがある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
初やがすたすたとやってくる。こん絆天はんてんの上に前垂をしめて、丸くふくれている。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
それは、あの日には三十俵五人扶持ぶちの門田与太郎であった。しかし今は、鶴のようなしまった身体からだに公然と着る絆天はんてん股引ももひきがよく似合っていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
「そうでもない。門内に塀を立てて目かくしにするのは諸侯の邸宅のきまりだが、管仲も大夫の身分でそれを立てた。また、酒宴に反坫はんてんを用いるのは諸侯同志の親睦の場合だが、管仲もまたそれをつかった。それで礼を心得ているといえるなら、誰でも礼を心得ているだろう。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一年余の間無益な往反をして、貞固の盤纏はんてんわずか一分銀いちぶぎん一つをあましていたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)