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半天
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はんてん
ふりがな文庫
“
半天
(
はんてん
)” の例文
半天
(
はんてん
)
は澄んで雲もなかつた。今は西に變つた風に追はれて流れる雲は長い銀色の
柱状
(
ちゆうじやう
)
をなして東の空から長々と動き出してゐた。月が
穩
(
おだ
)
やかに照る。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
次の日の
午時頃
(
ひるごろ
)
、浅草警察署の手で、今戸の橋場寄りの或
露地
(
ろじ
)
の中に、吉里が着て行ッたお熊の
半天
(
はんてん
)
が
脱捨
(
ぬぎすて
)
てあり
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
あの
下流
(
かりゅう
)
の赤い
旗
(
はた
)
の立っているところに、いつも
腕
(
うで
)
に赤いきれを
巻
(
ま
)
きつけて、はだかに
半天
(
はんてん
)
だけ一
枚
(
まい
)
着
(
き
)
てみんなの泳ぐのを見ている三十ばかりの男が
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
段々、暗に
慣
(
な
)
れて来るに従って、ウッスリ相手の姿が見える。男の服装は
半天
(
はんてん
)
に
股引
(
ももひき
)
、顔は黒布で包んでいる。子供は可愛らしい洋服姿が、
確
(
たしか
)
に茂だ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
仕立
(
したて
)
かけの
縫物
(
ぬひもの
)
に
針
(
はり
)
どめして
立
(
た
)
つは
年頃
(
としごろ
)
二十餘
(
はたちあま
)
りの
意氣
(
いき
)
な
女
(
をんな
)
、
多
(
おほ
)
い
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
忙
(
いそが
)
しい
折
(
をり
)
からとて
結
(
むす
)
び
髮
(
がみ
)
にして、
少
(
すこ
)
し
長
(
なが
)
めな
八丈
(
はちぢやう
)
の
前
(
まへ
)
だれ、お
召
(
めし
)
の
臺
(
だい
)
なしな
半天
(
はんてん
)
を
着
(
き
)
て
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
半天
(
はんてん
)
を
蔽
(
おほ
)
うた
忌
(
いま
)
はしき
魔鳥
(
まてう
)
の
翼
(
つばさ
)
に
似
(
に
)
て、
燒殘
(
やけのこ
)
る
炎
(
ほのほ
)
の
頭
(
かしら
)
は、その
血
(
ち
)
のしたゝる
七
(
なゝ
)
つの
首
(
くび
)
のやうであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
船はギイギイと二度ばかり音をたてた、
岩礁
(
がんしょう
)
の上は、まったく雪のごとき
噴沫
(
ふんまつ
)
におおわれた、ゴウッというけたたましいひびきとともに、船はふわふわと
半天
(
はんてん
)
にゆりあげられる。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
竈
(
かまど
)
が幅をとった板の間には、
障子
(
しょうじ
)
に映るランプの光が、物静かな薄暗をつくっていた。婆さんはその薄暗の中に、
半天
(
はんてん
)
の腰を
屈
(
かが
)
めながら、ちょうど今何か白い
獣
(
けもの
)
を
抱
(
だ
)
き上げている所だった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
船『
半天
(
はんてん
)
かけておきましたから、大丈夫です』
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
見
(
み
)
かへるに
暴
(
あば
)
れ
者
(
もの
)
の
長吉
(
ちようきち
)
、いま
廓内
(
なか
)
よりの
歸
(
かへ
)
りと
覺
(
おぼ
)
しく、
浴衣
(
ゆかた
)
を
重
(
かさ
)
ねし
唐棧
(
とうざん
)
の
着物
(
きもの
)
に
柿色
(
かきいろ
)
の三
尺
(
じやく
)
を
例
(
いつも
)
の
通
(
とほ
)
り
腰
(
こし
)
の
先
(
さき
)
にして、
黒
(
くろ
)
八の
襟
(
ゑり
)
のかゝつた
新
(
あた
)
らしい
半天
(
はんてん
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
折
(
をり
)
から
少
(
すこ
)
し
暑
(
あつ
)
くるしくとも
半天
(
はんてん
)
のぬがれぬ
恥
(
はづ
)
かしさ、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
嬉
(
うれ
)
しきを、
夢
(
ゆめ
)
かとばかり
辿
(
たど
)
られて、
此
(
この
)
十
月
(
がつ
)
が
當
(
あた
)
る
月
(
つき
)
とあるを、
人
(
ひと
)
には
言
(
い
)
はれねども
指
(
ゆび
)
をる
思
(
おも
)
ひ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これをば結び髮に結ひかへさせて綿銘仙の
半天
(
はんてん
)
に
襷
(
たすき
)
がけの水仕業さする事いかにして忍ばるべき、太郎といふ子もあるものなり、一端の怒りに百年の運を取はづして、人には笑はれものとなり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これをば
結
(
むす
)
び
髮
(
がみ
)
に
結
(
ゆ
)
ひかへさせて
綿銘仙
(
めんめいせん
)
の
半天
(
はんてん
)
に
襷
(
たすき
)
がけの
水仕業
(
みづしわざ
)
さする
事
(
こと
)
いかにして
忍
(
しの
)
ばるべき、
太郎
(
たらう
)
といふ
子
(
こ
)
もあるものなり、一
端
(
たん
)
の
怒
(
いか
)
りに百
年
(
ねん
)
の
運
(
うん
)
を
取
(
とり
)
はづして、
人
(
ひと
)
には
笑
(
わら
)
はれものとなり
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
隣
(
となり
)
より
剃刀
(
かみそり
)
をかりて
顏
(
かほ
)
をこしらゆる
心
(
こゝろ
)
、そも/\
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れの
浮氣
(
うわき
)
に
成
(
な
)
りて、
襦袢
(
じゆばん
)
の
袖
(
そで
)
も
欲
(
ほ
)
しう、
半天
(
はんてん
)
の
襟
(
ゑり
)
の
觀光
(
くわんくわう
)
が
糸
(
いと
)
ばかりに
成
(
なり
)
しを
淋
(
さび
)
しがる
思
(
おも
)
ひ、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
が
妻
(
つま
)
の
美尾
(
みを
)
とても一つは
世間
(
せけん
)
の
持上
(
もちあげ
)
しなり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“半天”で始まる語句
半天着
半天蓋