“下流”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しも53.1%
かりう14.3%
かりゅう8.2%
かわしも8.2%
しもて6.1%
したながし4.1%
かりゆう2.0%
したなが2.0%
しもながし2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七の眼は、じゃのように水から丘を見つつ抜手を切った。しかし、彼の影が丘へ近づくと、そこから一艘の小舟が急流に乗って下流しもへ離れた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうしたんでえ、よきは」おつぎはるとはりむかふきしからひく川楊かはやなぎえだまつはつていとはしみづについて下流かりういてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
東の仙人峠せんにんとうげから、遠野とおのを通り土沢つちざわぎ、北上山地を横截よこぎって来るつめたい猿ヶ石さるがいし川の、北上川への落合おちあいから、少し下流かりゅうの西岸でした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
夜十二時すぎでもあったか、難波橋なにわばしの上に来たら、下流かわしもの方で茶船ちゃぶねのってジャラ/\三味線を鳴らして騒いで居る奴がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
杭に挟まれたのがこっちに取って勿怪もっけの幸いで、さもなければ下流しもての方へ遠く押し流されてしまったかも知れなかった。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは読めたが、今声を懸けたばかりの、勝手口の腰障子は閉まったり、下流したながしの板敷に、どッしりしりを据えて膝の上におとがいを載せた、括猿くくりざるの見得はこれ什麽いかに
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこで、「上流の方は瀬が速い、下流かりゆうの方は瀬が弱い」
へえよろしうございます…………何処どこかくさうな、アヽ台所だいどころへ置けば知れないや、下流したながしへ牡丹餅ぼたもちを置いてをけふたをしてと、人が見たらかへるになるんだよ、いかえ人が見たらかへるだよ
日本の小僧 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おや、」と云って、一段下流しもながしの板敷へ下りると、お源と云う女中が、今しがたここからけ出して、玄関の来客を取次いだ草履が一ツ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)