“しも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シモ
語句割合
59.0%
30.2%
下流5.0%
1.3%
仕舞0.8%
0.8%
失敗0.4%
下句0.2%
只麼0.2%
召使0.2%
下道0.2%
下邸0.2%
以下0.2%
0.2%
川下0.2%
0.2%
河下0.2%
浸洩0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これだけは蕪村ぶそんの大手腕もつひに追随出来なかつたらしい。しもに挙げるのは几董きとうの編した蕪村句集に載つてゐる春雨の句の全部である。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かれこもつくこをかついでかへつてとき日向ひなたしもすこけてねばついてた。おしな勘次かんじ一寸ちよつとなくつたのでひどさびしかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この以前いぜんぼく此處こゝときことである、或日あるひ午後ひるすぎぼく溪流たにがは下流しも香魚釣あゆつりつてたとおもたまへ。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いかにも済んでしもうた、済んで、このような窘窮きんきゅうが来たのじゃ、打開の道を、われらは蝦夷への移住と考えた、したが、おぬしらは、それを薩長政府への愁訴と考えておる
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
新道つづきのなか一町をへだてた、私の通った小学校のあった町内の入口近かった。一間半ばかりの出窓をもった格子戸づくりの仕舞しもで、流行はやりものを教えるには都合のよい見附きだった。
別段悩める容態ようすもなく平日ふだんのごとく振舞えば、お浪はあきれかつ案ずるに、のっそり少しも頓着とんじゃくせず朝食あさめししもうて立ち上り、いきなり衣物を脱ぎ捨てて股引ももひき腹掛け着けにかかるを
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「コラ失敗しもうた。検事さんから、大きなお眼玉ものやがな。下から突きあげんと、あのままっといたらよかったのになア」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『——何のその。と云うのがきのう宗匠から廻って参りましたが、どうもよい下句しもが附きませぬ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『なに……冠句の下句しもを附けてくれいと。よし』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが本当の念仏で、念仏もまた「只」の念仏でなければなりません。禅僧のいう「只麼しも」がまた念仏の本質であるといえましょう。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それを禅の表詮をかりて「只麼しもの絵」といいたく思います。
益子の絵土瓶 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
毎朝どこかの百姓たちが召使しもの台所へ上がり込んで来て膝をつく始末だし、前もって壁を破って一夜のうちに納屋のライ麦を二十俵も引いては行くし
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「一たいどうしようとおっしゃるの、パーシャ? こうなることは、もう前にも言ったじゃありませんか。召使しもの者を御覧になればおわかりのはずですよ。」
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「鈴鹿のほうへは、おれが行ってみる、てめえたちは、下道しもへ急げ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「別に深い意味でございませぬ。あなた様のお体を預かっている松平左京之介まつだいらさきょうのすけ様が、京都の所司代にお更役かえやくになったので、それにつれて私たちまで、江戸のお下邸しもからこちらへ移ってまいりました」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれあめ御中主みなかぬしの神より以下しも日子波限建鵜草葺不合ひこなぎさたけうがやふきあへずみことよりさきを上つ卷とし、神倭伊波禮毘古かむやまといはれびこの天皇より以下、品陀ほむだの御世より前を中つ卷とし、大雀おほさざき皇帝すめらみことより以下
「あら。ももんがあが、おしもから出ますの」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
川下しもの者が、ある朝起きてきて妻に聞いた。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
錦繍きんしゅうとばりを垂れ、近侍小姓は綺羅星きらぼしと居並び、紅白のだんだら幕をめぐらしたおしもには
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松公が河下しもへ投げ込んだんだが、それが、お内儀、不思議なこともあったもんさのう、川を上ってお定婆さんの手に引っかかってたってえから、なんときつい執念じゃあごわせんか。
池の水が浸洩しもるやうですからなほしながら少し模様を更へて見ませうと植木屋さんは言ふ。頼む。
女性と庭 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
又盗すまれてはと、箪笥にしもうて錠を卸ろすや、今度は提革包さげかばんの始末。これは妻の寝静まった後ならではと一先ひとまず素知らぬ顔で床に入った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いつもときは、しももののそろひで、おとなしづくりのわかをとこで、をんなはう年下とししたくせに、薄手うすで圓髷まげでじみづくりの下町好したまちごのみでをさまつてゐるから、姉女房あねにようばうえるほどなのだが
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人間のぬけ殻をしもうた棺であることを知り、とてもいやな思いをして、あわてて逃げて帰ったことのあるそのものが、現にまだここに置き放してあるではないか。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)