失敗しも)” の例文
失敗しもた、とあの人は約束の時間におくれたことに改めて思いあたり、そして京都の夜の町をかけずりまわって、その友達を探すのである。
天衣無縫 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「コラ失敗しもうた。検事さんから、大きなお眼玉ものやがな。下から突きあげんと、あのままっといたらよかったのになア」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
仲居さんが差し出したお勘定書を見た途端、あの人は失敗しもたと叫んで、白い歯の間からぺろりと舌をだした。そしてみるみる蒼くなった。中腰のままだった。
天衣無縫 (新字新仮名) / 織田作之助(著)