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浮氣
男は
女蕩らしの
浮氣もの、
近頃は
嫂の
年増振に
目を
着けて、
多日遠々しくなつて
居たが、
最う
一二年、
深く
馴染んで
居たのであつた。
ぢゃによって、お
恕しなされ、
斯う
速う
靡いたをば
浮氣ゆゑと
思うて
下さるな、
夜の
暗に
油斷して、つい
下心を
知られたゝめぢゃ。
隣より
剃刀をかりて
顏をこしらゆる
心、そも/\
見て
呉れの
浮氣に
成りて、
襦袢の
袖も
欲しう、
半天の
襟の
觀光が
糸ばかりに
成しを
淋しがる
思ひ、
與四
郎が
妻の
美尾とても一つは
世間の
持上しなり