浮氣うはき)” の例文
新字:浮気
をとこ女蕩をんなたらしの浮氣うはきもの、近頃ちかごろあによめ年増振としまぶりけて、多日しばらく遠々とほ/″\しくなつてたが、一二年いちにねんふか馴染なじんでたのであつた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぢゃによって、おゆるしなされ、はやなびいたをば浮氣うはきゆゑとおもうてくださるな、よるやみ油斷ゆだんして、つい下心したごゝろられたゝめぢゃ。
いといつてくださるおひとるもなし、浮氣うはきのやうに思召おぼしめしましようが其日そのひおくりでござんすといふ、いや左樣さうはさぬ相手あいてのないことはあるまい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
引者ながら彼方は路傍ろばうの柳にひとし浮氣うはきの風の吹くまに/\なびく女に非れば打腹立うちはらだち言懲いひこらさんとは思へども家主なればとこらへて程よくまぎらはし其まゝにして過すに庄兵衞情慾じやうよくいよ/\つのりお光は我を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
愈江戸風の浮氣うはきには相あたり申候に付、夫けは御安心可下候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
本草ほんざうにはまいが、あんずるに燒芋やきいもあんパンは浮氣うはきをとめるものとえる……が浮氣うはきがとまつたかうかは沙汰さたなし。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ヂュリ おゝ、運命神うんめいよ、運命神うんめいよ! みなそち浮氣者うはきものぢゃといふ。いかにそち浮氣うはきであらうと、きこえた堅實かたぎひとなんとすることも出來できまい。
うで下品げひんそだちましたなれば此樣こんことしておはるのでござんしよと投出なげだしたやうなことば無量むりようかんがあふれてあだなる姿すがた浮氣うはきらしきにず一ふしさむろう樣子やうすのみゆるに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
マーキュ いや、ついでいのしてよう。……(呪文の口眞似にて)ローミオーよ! 浮氣うはきよ! 狂人きゃうじんよ! 煩惱ぼんなうよ! 戀人こひびとよ! 溜息ためいき姿すがたにて出現しゅつげんめされ。
一體いつたい若旦那わかだんなは、やしき河下三里かはしもさんりばかりのところに、ながれのぞんだ別業べつげふがあるのを、元來ぐわんらいいろこのめる男子をとこ婦人ふじん張氏ちやうし美而びにしてなりとふので、浮氣うはきをする隱場處かくればしよにして、別業べつげふ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たゞ浮氣うはきだつたり、おいたをすると、それは/\本當ほんたう可恐こはいのである。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)