-
トップ
>
-
浮氣
>
-
うはき
男は
女蕩らしの
浮氣もの、
近頃は
嫂の
年増振に
目を
着けて、
多日遠々しくなつて
居たが、
最う
一二年、
深く
馴染んで
居たのであつた。
ぢゃによって、お
恕しなされ、
斯う
速う
靡いたをば
浮氣ゆゑと
思うて
下さるな、
夜の
暗に
油斷して、つい
下心を
知られたゝめぢゃ。
來いといつて
下さるお
人の
氣に
入るもなし、
浮氣のやうに
思召ましようが
其日送りでござんすといふ、いや
左樣は
言はさぬ
相手のない
事はあるまい
引者ながら彼方は
路傍の柳に
等く
浮氣の風の吹くまに/\
靡く女に非れば
打腹立て
言懲さんとは思へども家主なればと
堪へて程よく
紛はし其まゝにして過すに庄兵衞
情慾いよ/\
募りお光は我を
愈江戸風の
浮氣には相
當不
レ申候に付、夫
丈けは御安心可
レ被
レ下候。
本草には
出て
居まいが、
案ずるに
燒芋と
饀パンは
浮氣をとめるものと
見える……が
浮氣がとまつたか
何うかは
沙汰なし。
ヂュリ おゝ、
運命神よ、
運命神よ!
皆が
汝を
浮氣者ぢゃといふ。いかに
汝が
浮氣であらうと、
世に
聞えた
堅實な
人を
何とすることも
出來まい。
何うで
下品に
育ちました
身なれば
此樣な
事して
終るのでござんしよと
投出したやうな
詞に
無量の
感があふれてあだなる
姿の
浮氣らしきに
似ず一
節さむろう
樣子のみゆるに
マーキュ いや、
序に
祈り
出して
見よう。……(呪文の口眞似にて)ローミオーよ!
浮氣よ!
狂人よ!
煩惱よ!
戀人よ!
溜息の
姿にて
出現めされ。
一體、
此の
若旦那は、
邸の
河下三里ばかりの
處に、
流に
臨んだ
別業があるのを、
元來色好める
男子、
婦人の
張氏美而妬なりと
云ふので、
浮氣をする
隱場處にして、
其の
別業へ
但し
浮氣だつたり、おいたをすると、それは/\
本當に
可恐いのである。