“ばんてん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
半纏44.4%
半纒22.2%
絆纏14.8%
袢纏7.4%
袢纒3.7%
絆纒3.7%
蟠纏3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生れしままなれば素跣足すはだししりきり半纏ばんてん田圃たんぼへ弁当の持はこびなど、松のひでを燈火ともしびにかへて草鞋わらんじうちながら馬士歌まごうたでもうたふべかりし身を
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
継ぎはぎだらけの尻切り半纒ばんてんにどんつく布子を重ね、古股引ももひきに草鞋ばきである。頬冠りをした上に穴のあいた萱笠という、まことにいぶせき恰好であった。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
土間に、顔も鼻の穴も手も真っ黒によごれた仕切り絆纏ばんてんの五十格好の親爺が立っていた。私が入って行くと、その親爺は黒い顔から茶色の眼を光らせて、無言で私を睨めた。
泡盛物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「火事だよう」「火事だァよゥ」彼方あち此方こちで消防の若者が聞きつけ、家に帰って火事かじ袢纏ばんてんを着て、村の真中まんなかの火の番小屋のじょうをあけて消防道具を持出し、わッしょい/\けつける頃は
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
尻切袢纒ばんてん淺黄あさぎ股引もゝひき、見得も色氣もない男で、案外こんなのが飛んだ色男かもわかりません。
尻切袢纒ばんてん淺黄あさぎの股引で、あれでも甥には違ひないのですから、縁側の隅つこに小さくなつて居ましたが、その遺言を讀み聽かせると、唯もう聲を揚げて男泣きに泣き出したのです。
伯爵家から名入りの印絆纒ばんてんをだして着せ、その上に伯爵の候補者推薦名刺には、大隈という認印までしてある。
春宵因縁談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
そのおのおのには、内側のものと外側のものとの脈帯のひだたがっている。それすら、複雑蟠纏ばんてんを極めているのに、下より突き上げ上からし重なるよう、十一の火山脈が縦横に走る。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)