トップ
>
袢纒
>
はんてん
ふりがな文庫
“
袢纒
(
はんてん
)” の例文
藤次郎はお店の
袢纒
(
はんてん
)
を着て、新しい麻裏を
履
(
は
)
き、紺の匂ひをプンプンさせて居りました。お
悔
(
くや
)
みかた/″\手傳ひに來たのでせう。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、いう声に二人が驚いて振り向くと、いつのまにおりて来たのか、文次の
袢纒
(
はんてん
)
に、愛刀帰雁を引っつかんだ篁守人の立ち姿!
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
棒縞お召の
袷
(
あわせ
)
に
黒繻子
(
くろじゅす
)
の帯、
衿
(
えり
)
のついた
袢纒
(
はんてん
)
をひっかけた伝法な姿、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
の
蹴出
(
けだ
)
しの覗くのも構わず
淫
(
みだ
)
らがましく
立膝
(
たてひざ
)
をしている女の側に、辰次郎が寒そうな顔で笑っていた。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
わざ/\お神さんにとのことに小女も不審を立て、寝るまでの時間つなぎに、亭主が不断着の裾直しに懸って居た秋元の女房は、黒の
太利
(
ふとり
)
とかいう
袢纒
(
はんてん
)
の、袖口の
毛繻子
(
けじゅす
)
に
褐色
(
ちゃ
)
の霞が来て居るのを
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「それは仕事着だよ、錢形の、職人の
袢纒
(
はんてん
)
と同じことだ。夜盜や押込みが、
金襴緞子
(
きんらんどんす
)
も着飾つては行けまいぢやないか」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
お粂はすぐ、その
旨
(
むね
)
を、繼母に傳へました。それを聽くと、お春は
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の上に、
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて飛んで來たのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二度目に
袢纒
(
はんてん
)
と着換へたのも變だが、その仕事着と、翌る朝お光の死骸を抱き上げて血の着いた袢纒とを、一緒に
盥
(
たらひ
)
に入れて置いたのも變ぢやないか。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
は恐ろしく粗末で、淺黄色の
股引
(
もゝひき
)
も、繼だらけの
袢纒
(
はんてん
)
も、町の物貰ひとあまり大差のないひどいものです。
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「仕事着のまゝで行つたので、あんまりひどいからと、それを脱いで新しい
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて行つたやうです」
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩夜中近い頃、母屋の
此方
(
こつち
)
寄りの部屋——土藏に一番近いところに寢て居る主人が、變な物音がするやうだと言つて、寢卷の上に
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
紺の匂ふ
袢纒
(
はんてん
)
にも、きちんと揃へた股引の膝つ小僧にも、何んとなく几帳面さが見えると言つた肌合でした。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あわてゝ
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて、襟も裾も合つては居ませんが、他には別に不審の
簾
(
かど
)
もなかつたのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二枚の着物——繼だらけの仕事着と小綺麗な
袢纒
(
はんてん
)
が、大
盥
(
だらひ
)
の中に入れて、水に漬けてありますが、それは今朝お光の死骸を見付けた時、それを崖の上へ抱き上げようとして
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小博奕
(
こばくちうち
)
、ゆすりかたりくらゐはやり兼ねない男ですよ、——面白がつて見てゐるうちに、二人は水へ飛び込んでしまつたんで、クルクルと
袢纒
(
はんてん
)
をかなぐり捨てて、水の中へ飛び込むと
銭形平次捕物控:218 心中崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お靜は自分の
袢纒
(
はんてん
)
を持つて、横町のお藏まで飛んで行つたよ。歸りに五匁玉一つと、一升ブラ下げて來る寸法さ。虫押への
禁呪
(
まじなひ
)
は外にあるわけはねえ。日の暮れる
前
(
めえ
)
に始めようぜ、八」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後ろから袖を押へるやうに、續いて庭先に出たのは、三十を少し越したかと思ふ、美しい年増、襟の掛つた
袢纒
(
はんてん
)
を引つかけて、
眉
(
まゆ
)
の
跡
(
あと
)
青々
(
あを/\
)
と、紅を含んだやうな唇が、物を言ふ毎に妙になまめきます。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
袢纒
(
はんてん
)
を取つて參りませう」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袢
漢検1級
部首:⾐
10画
纒
漢検準1級
部首:⽷
22画
“袢”で始まる語句
袢纏
袢天
袢衿
袢天著