“沁出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にじみ66.7%
しみだ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
未だ世馴れざる里の子の貴人の前に出しやうにはぢを含みて紅し、額の皺の幾条の溝には沁出にじみ熱汗あせを湛へ、鼻のさきにも珠を湧かせば腋の下には雨なるべし。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
まだ世馴れざる里の子の貴人きにんの前に出でしようにはじを含みてくれないし、額の皺の幾条いくすじみぞには沁出にじみ熱汗あせたたえ、鼻のさきにもたまを湧かせばわきの下には雨なるべし。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
成功と活動とのみに飢えかつえているような荒いそして硬い彼女の心にも、そんな憧憬あこがれと不満とが、沁出しみださずにはいなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お島は苦しい夢を見ているような心持で、そこを掃出していたが、不安と悔恨とが、また新しく胸に沁出しみだしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)