機會しほ)” の例文
新字:機会
ゆづる者ならんと思はれ何所迄どこまでも家來の體に取扱とりあつかはれしは實に特別とくべつ慈悲じひと云べきを却て主税之助は是をよき機會しほなりと藤五郎をはいして實子すけ五郎に家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つぶやくのを機會しほに、またいだ敷居しきゐこしはづすと、まどひぢを、よこざまに、むね投掛なげかけて居直ゐなほつた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「何んやいな、今時分に大けな聲して。……兎も角明日あしたのことにしたらえゝ。」と、お梶が寢衣姿で寒さうに出て來たのを機會しほに、二人の雇人は、別れ/\に各の寢床へ逃げ込んで行つた。
鱧の皮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
機會しほにやめてしまうた。手數をかけて飼ふほどのことは無いよつて。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
いまを機會しほぞ、かゝれと敵は
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)