鱧の皮はものかわ
郵便配達が巡査のやうな靴音をさして入つて來た。 「福島磯……といふ人が居ますか。」 彼は焦々した調子でかう言つて、束になつた葉書や手紙の中から、赤い印紙を二枚貼つた封の厚いのを取り出した。 道頓堀の夜景は丁どこれから、といふ時刻で、筋向うの …
作品に特徴的な語句
わたへ しつ こぼ せゐ いつ はま 私等わたへら 生魚なま すゑ そつ 武士さむらひ 打付ぶつ やつ 機會しほ 此方こつち くら やゝ 蹂躙にじ 坐睡ゐねむり まる 懈怠けだる わし うしろ よん しな しま 臭氣かざ 表書うはがき 素人しろと やに 阿呆あほ 華奢きやしや 飮食のみくひ 温味ぬくみ 高價たか なん 六歳むつつ おんな むか 對岸むかうぎし 幕間まくあひ いほり やす わざ ちやう 河中かはなか あらた 明日あした はも うつむ 閉場はね こじり 階下した 切籠きりこ 辛度しんど 魚槽ふね 先方さき 讚岐さぬき 可味うま 合點がてん 雲丹うに 尖頭さき 河岸かし 温飯ぬくめし 暖簾のれん さま 戎橋えびすばし ついで 萌黄もえぎ 紙捻こより 背後うしろ 胡坐あぐら 夜半よなか 四邊あたり 善哉ぜんざい
題名が同じ作品
鱧の皮 (新字旧仮名)上司小剣 (著)