“はずみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハズミ
語句割合
31.2%
機会22.0%
発奮13.8%
機勢9.2%
機會6.4%
途端5.5%
転機0.9%
轉機0.9%
郤含0.9%
余力0.9%
動機0.9%
0.9%
反跳0.9%
挑発0.9%
0.9%
発機0.9%
發奮0.9%
0.9%
跳反0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがその発会式が広い講堂で行なわれた時に、何かのはずみでしたろう、一人の会員が壇上に立って演説めいた事をやりました。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、地面じべたのたくつた太い木根につまづいて、其機会はずみにまだ新しい下駄の鼻緒が、フツリとれた。チヨツと舌鼓したうちして蹲踞しやがんだが、幻想まぼろしあともなし。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
カタリといって、発奮はずみもなくひっくりかえって、軽く転がる。その次のをフッ、カタリとかえる。続いてフッ、カタリと下へ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕は毎日怒つたやうな、妙に切迫した怖い顔を結んで、極く稀に、ふとした機勢はずみでしか笑ひ出すことが出来なかつた。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
辭退じたいをしてそのせきかほ不面目丈ふめんもくだけやつまぬかれたやうなものゝ、そのばん主人しゆじんなにかの機會はずみについ自分じぶん二人ふたりらさないとはかぎらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そんなときは、飛礫を打って、不意に梢に非常な震動を与えた途端はずみにその杏をおとすより外に方法はなかった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
二三日以前、自分は不図した転機はずみから思付いて、このS——村小学校の生徒をして日常朗唱せしむべき、云はゞ校歌といつた様な性質の一歌詞を作り、そして作曲した。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
転機はずみで椅子が後に倒れた。妻君は未だ動かないで居る。然し其顔の物凄い事。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
二三日以前、自分は不圖した轉機はずみから思附いて、このS——村小學校の生徒をして日常朗唱せしむべき、云はゞ校歌といつた樣な性質の一歌詞を作り、そして作曲した。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
轉機はずみで椅子がうしろに倒れた。妻君はだ動かないで居る。然し其顏の物凄い事。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
生憎あいにく其方そなたよろめける酔客すいかくよわごしあたり一衝撞ひとあてあてたりければ、彼は郤含はずみを打つて二間も彼方そなた撥飛はねとばさるるとひとしく、大地に横面擦よこづらすつてたふれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
又激く捩合ねぢあ郤含はずみに、短刀は戞然からりと落ちて、貫一が前なる畳に突立つつたつたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼は外套オバコオト衣兜かくしより一袋のボンボンを取出とりいだして火燵こたつの上に置けば、余力はずみに袋の口はゆるみて、紅白の玉は珊々さらさら乱出みだれいでぬ。こは宮の最も好める菓子なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
……ところで、何かの動機はずみでそのからざが切れると、否応いやおうなしに地面の上に隕ちて来る。お前も覚えがあるだろう、えらい勢いで鉢合せをすると、眼から火が出たという。
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
座敷へ上っても、誰も出てくるものがないからはずみがない。廊下へ出て、のこのこ離れの方へ行ってみる。ふもとの家で方々に白木綿を織るのが轡虫くつわむしが鳴くように聞える。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
踏みこたへんとせし貫一は水道工事の鉄道レイルつまづきてたふるるを、得たりと附入つけいる曲者は、あまりはやりて貫一の仆れたるに又跌き、一間ばかりの彼方あなた反跳はずみを打ちて投飛されぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
聴者ききてが熱心であるだけに、弁者べんしゃにも大いに挑発はずみが付いて、忠一も更に形を改めた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
はずみに乗せられて貫一は思はずうくるとひとし盈々なみなみそそがれて、下にも置れず一口附くるを見たる満枝が歓喜よろこび
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
溜飲りゅういんを下げてやろうと思ったけれど……どんな発機はずみで、自棄腹やけばらの、あの人たちの乱暴に、貴方に怪我でもさせた日にゃ、取返しがつかないから、といま胸に手を置いて、分別をしたんですよ。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房にようばうは、飛脚ひきやくめつゝおどろ發奮はずみに、しろうでけた胞胎えな一條ひとすぢながしたのであつた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何かのはずみで土地の政党関係などに触れるとこの電燈会社が職工工夫に命令して無茶に電柱を立てたり横柄な測定をしたりしておびやかす様な事をする。
だが札幌へ着く迄に、私は馬の強直な跳反はずみに調子を合わせて身体を動かすコツを覚え込んだので、非常に身体が痛くはあったが、それでも、どうやらこうやら、緩い速度で走らせることが出来た。