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発奮
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はずみ
ふりがな文庫
“
発奮
(
はずみ
)” の例文
旧字:
發奮
「こちらへ。」と無造作なように、今度は書見のまま声をかけたが、落着かれず、またひょいと目を上げると、その
発奮
(
はずみ
)
で目金が躍る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
カタリといって、
発奮
(
はずみ
)
もなく
引
(
ひっ
)
くりかえって、軽く転がる。その次のをフッ、カタリと
飜
(
かえ
)
る。続いてフッ、カタリと下へ。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一人
発奮
(
はずみ
)
をくって、のめりかかったので、
雪頽
(
なだれ
)
を打ったが、それも、赤ら顔の手も
交
(
まじ
)
って、三四人大革鞄に
取
(
とり
)
かかった。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とつい、
衣紋
(
えもん
)
が
摺
(
ず
)
って、白い襟。髪艶やかに中腰になった処を、
発奮
(
はずみ
)
で
一打
(
ひとうち
)
、ト
颯
(
さっ
)
と烏の翼の影、笹を挙げて
引被
(
ひっかぶ
)
る。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尾を
撮
(
つま
)
んで、にょろりと
引立
(
ひった
)
てると、青黒い背筋が
畝
(
うね
)
って、びくりと鎌首を
擡
(
もた
)
げる
発奮
(
はずみ
)
に、手術服という白いのを
被
(
はお
)
ったのが、手を振って、飛上る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
とたんに鉄棒
空
(
くう
)
に躍って
頭
(
こうべ
)
を目懸けて
曳
(
えい
)
! と下す。さしったりと身を交せば、
狙
(
ねら
)
い
外
(
はず
)
れて
発奮
(
はずみ
)
を打ち路傍の岩を
真二
(
まっぷた
)
つ。石鉄
戛然
(
かつぜん
)
火花を散らしぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もとより将軍様に直訴する云うたほどですで、はじめから国手の身体に向うて手を挙ぎょうとは思わんのですれど、ものは
発奮
(
はずみ
)
だで、
赫
(
かっ
)
としたでな。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鉄道馬車の線路を横に切れようとする
発奮
(
はずみ
)
に、荷車へ突当って、片一方の輪をこわしてしまって、投出されさ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二階もまだ下り切るまいと思うのに、看護婦が、ばたばた
忙
(
せわ
)
しく引返して、
発奮
(
はずみ
)
に突込むように顔を出して
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先刻
(
さっき
)
口を指したまま、
鱗
(
うろこ
)
でもありそうな汚い胸のあたりへ、ふらりと釣っていた手が動いて、ハタと横を払うと、
発奮
(
はずみ
)
か、
冴
(
さえ
)
か、折敷ぐるみ、バッタリ落ちて、昔々
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
発奮
(
はずみ
)
をくらい、婆は尻餅をついて、
熟柿
(
じゅくし
)
のごとくぐしゃりとなったが、むっくと起き、向をかえると人形町通の
方
(
かた
)
へ一文字に駆け出した、且つ走り、且つ声を絞って
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
直ぐにも
打縛
(
ふんじば
)
りでもするように、お前、
真剣
(
しんけん
)
になって、
明白
(
あかり
)
を立てる立てるッて言わあ。勿論、何だ、御用だなんて
威
(
おど
)
かしたには威しましたさ、そりゃ
発奮
(
はずみ
)
というもんだ。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
晩の
泊
(
とまり
)
はどこだって聞きますから、向うの峰の日脚を
仰向
(
あおむ
)
いて、下の温泉だと云いますとね、双葉屋の女中だと、ここで姉さんが名を言って、お世話しましょうと、きつい
発奮
(
はずみ
)
さ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と焦って、
圧
(
おさ
)
えて云い云い、早や飛下りそうにしつつも駆戻る
発奮
(
はずみ
)
にずかずかと
引摺
(
ひきず
)
られるように町の角を曲って、やっと下立った処は、もう火の番を過ぎて、お竹蔵の前であった。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ドンと落ちると、盆は、ハッと持直そうとする手に引かれて、俊吉の分も
浚
(
さら
)
った茶碗が対。
吸子
(
きびしょ
)
も共に
発奮
(
はずみ
)
を打ってお染は肩から胸、両膝かけて、ざっと、ありたけの茶を浴びたのである。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お稲さんは黙って
俯向
(
うつむ
)
いていたんですって。左挿しに、毛筋を通して銀の
平打
(
ひらうち
)
を挿込んだ時、先が
突刺
(
つっささ
)
りやしないかと思った。はっと髪結さんが抜戻した
発奮
(
はずみ
)
で、飛石へカチリと落ちました。……
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とんと打入れる
発奮
(
はずみ
)
をくッて、腰も据らず、
仰向
(
あおむけ
)
に
引
(
ひっ
)
くりかえることがある、ええだらしがない、尻から
焼火箸
(
やけひばし
)
を刺通して、畳の
縁
(
へり
)
に
突立
(
つッた
)
ててやろう、転ばない
呪禁
(
まじない
)
にと、陰では口汚く
詈
(
ののし
)
られて
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
話した
発奮
(
はずみ
)
に、あたかもこの八畳と次の長六畳との仕切が柱で、ずッと壁で、壁と壁との間が
階子段
(
はしごだん
)
と
向合
(
むかいあわ
)
せに
欞子窓
(
れんじまど
)
のように見える、が、直ぐに
隣家
(
となり
)
の車屋の屋根へ続いた物干。
一跨
(
ひとまた
)
ぎで出られる。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仕方を見せて見物を泣かせる
目算
(
つもり
)
のあてはずれ、
発奮
(
はずみ
)
で活歴を遣って
退
(
の
)
け、
手痍
(
てきず
)
少々負うたれば、破傷風にならぬようにと、太鼓大の
膏薬
(
こうやく
)
を飯粒にて
糊附
(
はりつ
)
けしが、
歩行
(
あるく
)
たびに
腹筋
(
はらすじ
)
よれて、
跛
(
びっこ
)
曳
(
ひ
)
き曳き
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
発奮
(
はずみ
)
に
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“発奮”の意味
《名詞》
発 奮(はっぷん)
発憤の別表記。
(出典:Wiktionary)
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
奮
常用漢字
小6
部首:⼤
16画
“発”で始まる語句
発
発見
発句
発心
発作
発矢
発止
発足
発起
発端