“戛然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かつぜん95.0%
かちり5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、跳び上がったが、その叫びも終らないうちに、後ろにまわっていた武士の手から、戛然かつぜん、大剣は鳴って、その首すじへ振り落された。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
といいながら挙げたる手をはたと落す。かの腕輪は再びきらめいて、玉と玉と撃てる音か、戛然かつぜんと瞬時の響きを起す。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
健在すこやかなれ、御身等、今若、牛若、生立おいたてよ、とひそかに河野の一門をのろって、主税はたもとから戛然かちりと音する松の葉を投げて、足くその前を通り過ぎた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)