“かつぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
豁然47.1%
戛然22.4%
戞然15.3%
濶然9.4%
刮然3.5%
活禅1.2%
闊然1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その重みに堪え、その重みの下に苦闘しつつ、よくそれを双腕に支え得るならば、彼の前には豁然かつぜんとして新たな天地が開けてくるであろう。
といいながら挙げたる手をはたと落す。かの腕輪は再びきらめいて、玉と玉と撃てる音か、戛然かつぜんと瞬時の響きを起す。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
五大洲はまっすぐなたまをだした。戞然かつぜんと音がした、見物人はひやりとした、球ははたして千三に向かった、千三は早くも右の方へよった。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
武松は、久しぶりに濶然かつぜんたる胸をひらいて、愉快でたまらず、大酔して蹣跚まんさんとした足もとを、やがて召使の手にたすけられながら、外へ出て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それさえければ、凝結している剣も、すべても、刮然かつぜんと、解けそうな気がするのであったが、どうにもならない。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嘘とたら、この世はないからな。——いや御主君に一命をさし上げている侍奉公の身には、かりそめにも虚無観があってはなるまい。わしのぜんは、ゆえに、活禅かつぜんだ。娑婆しゃば禅だ、地獄禅だ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
源三郎、膝わきに引きつけた大刀の柄をたたいて、闊然かつぜんとわらった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)