“一跨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとまた85.0%
ひとまたぎ15.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はいきなり戸のはりに手をかけると、器械体操で習練した身軽さでびあがり、一跨ひとまたぎに跨いで用心ぶかく内側へおりて行った。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
湯は、だだっ広い、薄暗い台所の板敷を抜けて、土間へ出て、庇間ひあわい一跨ひとまたぎ、すえ風呂をこの空地くうちから焚くので、雨の降る日は難儀そうな。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苦桃にかもゝおほいによろこび、やすことかな、われ一跨ひとまたぎ日本につぽん推渡おしわたり、三指みつゆびにて桃太もゝた
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
七兵衛は螇蚸ばったのような足つきで不行儀に突立つったつと屏風の前を一跨ひとまたぎすぐに台所へ出ると、荒縄には秋の草のみだれざき、小雨が降るかと霧かかって、帯の端衣服きものすそをしたしたと落つるしずくも、萌黄もえぎの露
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)