“盈々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なみなみ60.0%
なみ/\20.0%
えい/\20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
植源の庭には、大きな水甕みずがめが三つもあった。お島は男の手の足りないおりおりには、その一つ一つに、水を盈々なみなみ汲込まなければならなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
大きい花崗岩みかげいしの臺に載つた洗面盥には、見よ/\、溢れる許り盈々なみ/\と、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏として銀水の如く盛つてあるではないか。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
惜む、惜む、この諷刺の盈々えい/\たる気を以て、譬喩の面を被らず素面にして出たることを。惜しむ、惜しむ、この写実の妙腕を以て、いたづらに書生の堕落といへる狭まき観察に偏したることを。