“なみ/\”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
尋常23.8%
波々19.0%
並々9.5%
平々9.5%
滿々9.5%
通常9.5%
盈々4.8%
波波4.8%
満盌4.8%
通常普通4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親兄弟に恥を見するな、貴樣にいふとも甲斐は無けれど尋常なみ/\ならば山村の若旦那とて、入らぬ世間に惡評もうけず、我が代りの年禮に少しの勞をも助くる筈を
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おそります。』と、玄竹げんちくさかづき盃洗はいせんみづあらひ、懷紙くわいしして、丁寧ていねいいたうへ但馬守たじまのかみさゝげた。それをけて、波々なみ/\がせたのを、ぐつとした但馬守たじまのかみ
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
その次ぎには、句讀點くとうてんや語勢、聲の抑揚よくやうや場合に應じた身振などに注意して、短かい詩を朗讀した。彼女の年頃にしては、まつたく並々なみ/\ならぬ出來だつた。
こゝろ帰家かへりたきにありて風雅ふうがをうしなひ、古跡こせきをもむなしくよぎり、たゞ平々なみ/\たる旅人りよじんとなりて、きゝおよびたる文雅ぶんがの人をも剌問たづねざりしは今に遺憾ゐかんなり。嗟乎あゝとしけんせしをいかんせん。
女は徳二郎の渡した大コツプに、滿々なみ/\と酒をついで呼吸いきもつかずに飮んだ。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
今此のお侍も本当に刀をるお方ですから、中身なかご工合ぐあいから焼曇おちの有り無しより、差表さしおもて差裏さしうら鋩尖ぼうしさき何やや吟味致しまするは、流石さすがにお旗下はたもとの殿様の事ゆえ、通常なみ/\の者とは違います。
大きい花崗岩みかげいしの臺に載つた洗面盥には、見よ/\、溢れる許り盈々なみ/\と、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏として銀水の如く盛つてあるではないか。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
顏を洗つてから、可成なるべく音のせぬ樣に水を汲み上げて、盥の水を以前もとの如く清く盈々なみ/\として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前もとの如くそれに浮べた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
波波なみ/\いださかづきを前にし、それ等の音楽を聞きながら皆呑気のんきに夜を徹する。一種の特色ある菓子麺麭ぱんや軽い幾ひんかの夜食を取る事も出来るのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
よびとゞめ、熊に助られしとは珍説ちんせつ也語りて聞せ給へといひしに、主人あるじが前に在し茶盌ちやわんをとりてまづ一盃のめとて酒を満盌なみ/\とつぎければ
雲をけり風にのる大鵬の、嬉しきは此姿ならずや、近くたとへを我が女同志どしにても見よ、彼の田原殿が奧方は京の祇國の舞妓とかや、氏ははるかに劣りし人とか、通常普通なみ/\の娘にて過ぎなば
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)