“抑揚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よくよう58.1%
ふし9.3%
めりはり9.3%
アクセント9.3%
よくやう7.0%
メリハリ2.3%
あげさげ2.3%
ベトースング2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その叱咤しったを、後ろ耳で聞きながら、先へゆく法師はまだ足も早めず、大きな声に抑揚よくようをつけて慷慨こうがいの語気を詩のように呶鳴りつづけていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、渠は小声に抑揚ふしをつけて読み出した。が、書いてあるのはたつた十二三行しかないので、直ぐに読終へて了ふ。と繰返してまた読み出す。再読終へて再読み出す。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
それよりも、咲子は大人のやうな抑揚めりはりのある調子で、講談本を読むのが巧かつたし、侠客や盗賊の名前もく知つてゐた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかしよく聞いてみると、だいたいの音の抑揚アクセント律動リズムが似ているだけで、母音も不完全であるし、子音はもとより到底ものになっていない。
疑問と空想 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その次ぎには、句讀點くとうてんや語勢、聲の抑揚よくやうや場合に應じた身振などに注意して、短かい詩を朗讀した。彼女の年頃にしては、まつたく並々なみ/\ならぬ出來だつた。
此はあの朗読式な、処々には清らかな隈を作るあくせんと——そのせりふの抑揚メリハリが誘ひ出すものであることを、吾々は知つてゐた。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
けれども席に着いて挨拶あいさつをする彼の様子といい、言葉数といい、抑揚あげさげの調子といい、すべてが平生の重吉そのままであった。
手紙 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
凡ての遭遇エルフアールングは内から抑揚ベトースングをつけなければならない。
三太郎の日記 第三 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)