“アクセント”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
抑揚36.4%
調子18.2%
強音9.1%
口調9.1%
揚音符9.1%
語調9.1%
音調9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其の声音迄が明澄で、しかも喉音が多く、所謂「フォブリアン」の抑揚アクセントが窺はれる。隠れた愉快さがその目の中には笑つてゐて、其の薄い脣に迄みなぎつてゐる。
と妙に甘ったれた調子アクセントで太い声を出した。
云わば、武装を隠した詩の形式でしょうかな。それで、貴方の神経運動を吟味しようと試みたのですが、とうとうその中から、一つの幽霊的な強音アクセントを摘み出しましたよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
つまり、一つの長い音節シラブルが、量において二つの短い音節シラブルに等しいというのが原則で、それに、頭韻アリテレーション尾韻エンドライム強音アクセントなどを按配した抑揚格アイアムバスを作って、詩形に音楽的旋律を生んでいくのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その口調アクセントには少し外国なまりがあったが、それは全くほんの少しである
最後から二番目の綴音シラブル「ボー」に強い揚音符アクセントをつけてまた幾度か「ストロンボーリ、ストロンボーリ」と叫んでいた。
旅日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ふと氣がつくと、私の耳は、一心に、その混聲を分析して、語調アクセントの混亂の中からロチスター氏の語調を區別しようとしてゐた。それはすぐに聽き取れた。
私は教科書を包んだ風呂敷包みをかゝへて梯子段はしごだんを下り、士官の音調アクセントに似せ、「行つて参ります」と言ふと、亭主は皮肉な笑ひを洩しながら、「へえ」と、あごで答へるだけだつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)