“ふし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フシ
語句割合
77.4%
3.5%
2.6%
2.3%
父子1.9%
不死1.6%
俯視1.3%
抑揚1.3%
腐屍1.0%
五倍子0.6%
曲節0.6%
調0.6%
鰹節0.3%
不思0.3%
0.3%
倍子0.3%
富資0.3%
0.3%
曲奏0.3%
符氏0.3%
節奏0.3%
0.3%
腐死0.3%
調節0.3%
関節0.3%
關節0.3%
附枝0.3%
骨節0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見慣みなれない小鳥ことりみょうふしまってうたをうたっていました。むすめは、いままでこんな不思議ふしぎうたをきいたことがありません。
ふるさとの林の歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
過しけるが或時喜内は不※ふと風邪ふうじやをかされてふしたるに追々熱氣強く十日餘りも床に着ければ其間若黨二人一夜代り/\に次の間へ打臥うちふし夜中の藥を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
左の手にはわき雷居り、右の手にはつち雷居り、左の足にはなる雷居り、右の足にはふし雷居り、并はせて八くさの雷神成り居りき。
なべてみなととのはぬ色のふし……ただにするど
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こんどの戦で、かくわれをして幸いせしめたものは、第一に陳珪ちんけい父子ふしの功労である。第二には、韓暹、楊奉の内応の功である。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはそうさ、天子てんしさまも不死ふしくすりむことができなかったから、やはりとしってんでしまいなされたろう。」
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今は温泉場として知られて居るが、当時は城が有ったものと見える。政宗は本軍を飯坂に据えて、東のかた南北に通って居る街道を俯視ふししつつ氏郷勢を待った。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
笑はれて、私は改めようとするけれども、いざとなつて聲を立てゝ讀む時は、屹度其抑揚ふしが出る。
二筋の血 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
今にしてさとらずんば、汝の腐屍ふしもまた、祁山きざんの鳥獣にきょうさるる一朝の好餌でしかないぞ
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはお歯黒をつけるには必ず必要の五倍子ふしの粉を売っていた店で、店の中央に石臼いしうすえて五倍子粉をっている陰陽の生人形が置いてあって人目をいたもの
梅や香料、砂糖や蜂蜜も、パイやスープと並べられる。今こそ曲節ふし面白く音樂が奏でられる、若い者は踊つて歌つて身體をぬくめなければならない、よし老人たちは爐傍に坐りこんでゐようともである。
駅伝馬車 (旧字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
そして「通は馬鹿だよ」と妙な調ふしで謡って歩く。桶屋の酒飲のんだくれ親爺はの乞食は乞食でも愛嬌があると言って褒めていた。其は兎に角乃公は動悸どきっとしたが
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と不足らしい顔つきして女を見送りしが、何が眼につきしや急にショゲて黙然だんまりになって抽斗をけ、小刀こがたな鰹節ふしとを取り出したる男は、鰹節ふし亀節かめぶしというちさきものなるを見て
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
独言ひとりごとしつつそこらを見廻して、やがて膳のふち鰹節ふしをあてがって削く。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「凡百ノ技、こうニ始マリ、拙ニ終ル、ニ出デテ不思ふしニ入ル、故ニ巧思極マル時ハすなはチ神妙ナリ。神妙ナル時ハ則チ自然ナリ。自然ナルモノハ巧思ヲ以テ得ベカラズ、歳月ヲ以テ到ルベカラズ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
うちふしすぎて、かぶと頂辺てっぺんを射られるな。水のうえにて身づくろいすな。物の具に透間すきまあらすな。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊勢の津の観音堂の二月十七、八日の法会ほうえは、たしか修二会しゅにえといって古い本にも多く出ているが、土地では津のオコナイということが、沢田君の五倍子ふし雑筆に見えている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
のみならず、袁紹一族には、富資ふし精英の子弟も多く、麾下には審配しんぱい逢紀ほうきなどのよく兵を用うるあり、田豊、許攸きょゆうの智謀、顔良、文醜ぶんしゅうらの勇など、当るべからざる概があります。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
息子の小次郎直家は、沢潟おもだかを濃く摺りこんだ直垂に、ふしなわ目の鎧を着こみ、西楼せいろうという白葦毛に乗った。旗差しの侍は、黄塵きじんの直垂、小桜を黄に染めた鎧、黄河原毛きかわらげの馬に乗った。
青銅の鶴が噴水の水とともに優雅な曲奏ふしで歌を唄うというのは何にしても珍しい出来事に相違ないから、「唄う鶴の噴水」に対する市民の人気はいやが上にも昂まり
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
蠅営狗苟ようえいくこう羊狠狼貪ようこんろうたんはやきこと飄風ひょうぷうの如く、はげしきこと猛火の如し。喬家きょうか生きてお悟らず、死すとも何ぞうれえん。符氏ふしじょ死してなお貪婬たんいんなり、生ける時知るべし。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ちょっと伺っておきますが、朗読会と云うと何か節奏ふしでも附けて、詩歌しいか文章のるいを読むように聞えますが、一体どんな風にやるんです」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
されど我は今汝の心が、思ひより思ひに移りて一のふしの中にむすぼれ、それより解放ときはなたれんことをばしきりに願ひつゝ待つを見るなり 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
鱗茎りんけい鱗片りんぺんもきわめて少なく、花が咲くとその鱗茎りんけい腐死ふしし、その側に一、二の仔苗しびょうを残すにすぎない特状がある。この属のもの日本に二種、一はウバユリ、二はオオウバユリである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
だから宴楽の時などでも、楽人のかなでる調節ふしや譜に間違いがあると、どんなに酔っているときでも、きっと奏手の楽人をふりかえって
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大罪人に用いる上柄かみがら流本繩の秘伝、小刀かこうがいで親指の関節ふしに切れ目を入れ、両の親指の背を合わせて切れ目へ糸を廻わして三段に巻いて結ぶという、これが熊谷家口述くじゅつの紫繩。
筆者は佛教のことは、その絲口も知らないのだが、そんなふうにこの終りの方の文を解釋すると、前の方の關節ふしから起る不治の病も、早く治療すれば命は長いとの教へが適切に響いてくる。
たとえば大樹をるに、先ず附枝ふしるが如し、親藩既に滅びなば、朝廷孤立し、奸臣志を得んには、社稷しゃしょくあやうからん。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
めるも熟まざるもわが身かの世に殘るにあらず、その血その骨節ふしみな我とともにこゝにあり 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)