“不思”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもはず42.9%
おもわ14.3%
おもわず14.3%
つひ14.3%
ふし14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『何と云つて行きました?』と不思おもはず
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
突然、跛の娘がそばを通った。老人も娘も不思おもわず黙礼した。「どこか、病気なのですか?」と娘は心配そうに言った。「くたびれた。なんでも、ないんだ。」と老人は言った。
老人と孤独な娘 (新字新仮名) / 小山清(著)
晴次は何やら見出して、不思おもわずまた「ヤッ」といったが、気が着いて博士の袖を曳きながら、頻りに先方むこうを指差すので、そちらを見ると如何にも石碑らしいものがある。
月世界跋渉記 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
先月せんげつ中より永々なが/\の病氣にて臥居ふしをり中々長庵方などへ參り候事是無く勿論先月中一兩度も近所の事故藥取に參り候が其時の事にて有りしがあめはれ候故不思つひかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「凡百ノ技、こうニ始マリ、拙ニ終ル、ニ出デテ不思ふしニ入ル、故ニ巧思極マル時ハすなはチ神妙ナリ。神妙ナル時ハ則チ自然ナリ。自然ナルモノハ巧思ヲ以テ得ベカラズ、歳月ヲ以テ到ルベカラズ……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)