“黙然”のいろいろな読み方と例文
旧字:默然
読み方割合
もくねん85.1%
だんまり10.4%
もくぜん3.0%
だんま0.7%
もだ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらく黙然もくねんとして三千代の顔を見ているうちに、女の頬から血の色が次第に退ぞいて行って、普通よりは眼に付く程蒼白くなった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しずくを切って、ついと出すと、他愛なさもあんまりな、目の色の変りよう、まなじりきっとなったれば、女房は気を打たれ、黙然だんまりでただ目をみはる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト云いながらお勢は起上たちあがッて、二階を降りてしまッた。跡には両人ふたりの者が、しばらく手持無沙汰ぶさたと云う気味で黙然もくぜんとしていたが、やがて文三は厭に落着いた声で
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いて突立つッたったその三味線を、次のの暗い方へそっ押遣おしやって、がっくりと筋がえた風に、折重なるまで摺寄すりよりながら、黙然だんまりで、ともしびの影に水のごとく打揺うちゆらぐ、お三重の背中をさすっていた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黙然もだりてさかしらするはさけみて酔泣ゑひなきするになほかずけり (同・三五〇)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)