“ふせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フセ
語句割合
22.9%
布施22.0%
18.7%
17.8%
9.3%
2.8%
1.4%
0.9%
0.9%
0.5%
布勢0.5%
伏枕0.5%
0.5%
病臥0.5%
睡眠0.5%
臥床0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おうお、なにからなにまでよく届きます。糸かい、首の騒ぎで気分を悪うしてな、頭痛がするとか言うて奥にふせっとりますわい。」
紫野においてり行われるという故信長の葬儀と十七日の大法事は、どれほど貧しい者たちに、事前の布施ふせとなったかしれなかった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ロレ いや、そのことば鋭鋒きっさきふせ甲胄よろひおまさう。逆境ぎゃくきゃうあまちゝぢゃと哲學てつがくこそはひとこゝろなぐさぐさぢゃ、よしや追放つゐはうとならうと。
もし忠邦をして答えしめば、まさにいうべし、「内外の積弊駸々乎しんしんことしてふせぐべからず、一日の猶予は則ち一日の大患なりと知らずや」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
いつとなし足をぬいて、前借は据置すえおきのままに大増だいますの女中に住みこむなど、激しい気象のお神にも、ふせぐに手のない破綻はたんは仕方がなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
つひに其場へ切ふせたり斯て兩人はホツと一いきつく處へお里もやがかけ來り其所に御いでは父樣かといふ聲きいてオヽお里か能マア無事でと親子三人怪我けがのないのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
廖平こゝにおいて人々にって曰く、諸人のしたがわんことを願うは、もとよりなり、但し随行の者の多きは功無くして害あり、家室のるい無くして、膂力りょりょくふせまもるに足る者
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
故に鶏を以て祀祭するなり〉と載せ、〈また俗説、鶏鳴まさに旦せんとす、人の起居を為す、門もまた昏に閉じ晨に開き、難をふせぎ固を守る、礼は功に報るを貴ぶ、故に門戸に鶏を用うるなり〉。
雞籠にはとりのかごふせてかの蜘蛛くもをとらへしにはら夜光珠やくわうのたまあり、大さ弾丸だんぐわんの如しとしるせり。
それから和歌山県海草郡有功いさお村大字六十谷むそたに及び同県那賀郡山崎村大字原では、昔から僧行基がおしえたと云う、『ふせ三昧』と称する葬法を用いている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
同地は山間にある村落であって、屍体は土深く埋めても猛獣のために発掘され喰い散らされるのであるが、僧行基がふせ三昧の呪法を修してから、この被害がなくなったと伝えている。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
そうなればいよいよ崩れぬような人工も加わって行くのである。越中の布勢ふせなどは大伴家持おおとものやかもちの時代からすでに潟で、その岸は街道であった。その東の奈胡浦なごのうらは後世の放生津ほうじょうつである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
羽後由利郡下川大内しもかわおおうち村大字平岫ひらぐき兵屋布ひょうやしきがある。出雲仁多にた布勢ふせ村大字上三所かみみところ字日向に小字兵垣内ひょうのかいちがあるのを見れば、ヒョウと称する一種の人民の諸国にあったことは明らかである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私もネ、しばらく気分が悪くて、伏枕ふせっていましたから、何か水気のある物を食べたいと思って買わせにるうちに……どうも話の様子では、普通ただの水菓子を売る家の内儀おかみさんでは無い。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
全力をあげて職務に勉励し、何等なんらの根拠なきによく余の計画を看破し、保険会社をして四十五万フランの損害をふせぎ得たり。
「お病臥ふせりになったきりなんだよ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「全く亀井戸の師匠の仰有る通りさ。手前なんざアそれがためあれからというものは夜もおちおち睡眠ふせりません。」と鶴屋の主人あるじは全く生返ったように元気づき
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お前も迷いを起してはならないと、宿に泊って居りましても臥床ふせる迄は貴方の御教導、あゝ有難いお話で、大きに悟ることもありました、美作まで送って遣ろうとおっしゃっても
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)