“ふしど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
臥床63.6%
臥所18.2%
臥戸5.1%
臥房3.0%
寝所2.0%
臥処2.0%
1.0%
伏床1.0%
伏所1.0%
寝処1.0%
(他:2)2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて小切こぎれたる畳紙たゝうがみとりだし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きまりきった宿の部屋であったから、闇の中でも、床の間の在所ありか、そこを枕としている調所の臥床ふしどは、想像できた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
たしかに人ありと思いきわめたるランスロットは、やおら身を臥所ふしどに起して、「たぞ」といいつつ戸を半ば引く。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
芸者が臥所ふしどへ来た時、君は浜路はまじに襲われた犬塚いぬづか信乃しののように、夜具を片附けて、開き直って用向を尋ねた。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それは一軒のやかた作りではなく、野の臥戸ふしどのような小屋掛こやがけの中に住んでいるとのことだった。
野に臥す者 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
客の帰りしのち中川は長き談話に疲れけん臥戸ふしどに入りてたちまねむりに就きぬ。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
便びんなきアントニオよと語りもあへず、ジエンナロはおのが臥房ふしどに跳り入りぬ。
「お疲れであろう。まあ、こよいは臥房ふしどへ入っておやすみなさい」と、すすめた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ようとすると、蒼白い月光が隈なくうすものを敷たように仮の寝所ふしどを照して、五歩ばかり先に何やら黒い大きなものが見える。
寝所ふしどには括枕くくりまくらのかたはらにしゆ筥枕はこまくら置きつつあはれ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
臥処ふしどにて身をさびしみしわれに見ゆ山の背並せなみのうねりてゆくが
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
しづかなる吾の臥処ふしどにうす青き草かげろふは飛びて来にけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
佐助は春琴の苦吟くぎんする声に驚き眼覚めて次の間よりけ、急ぎ燈火を点じて見れば、何者か雨戸をじ開け春琴がふしど戸に忍入しのびいりしに、早くも佐助が起き出でたるけはいを察し、一物いちもつをも得ずして逃げせぬと覚しく、すでに四辺に人影ひとかげもなかりき。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
思ひ煩へる事さへも心自ら知らず、例へば夢の中に伏床ふしどを拔け出でて終夜よもすがらやまいたゞき、水のほとりを迷ひつくしたらん人こそ、さながら瀧口が今の有樣に似たりとも見るべけれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
彼等の夜の伏所ふしどは小さな木箱である。
兎と猫 (新字新仮名) / 魯迅(著)
暑かりし日を寝処ふしどより起き来しが向ひの山はあをく暮れむとす
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
草びらは終りの寢所ふしど
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
す事もあらねば、貫一は臥内ふしどに入りけるが、わづかまどろむと為ればぢきに、めて、そのままにねむりうするとともに、様々の事思ひゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)